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《NNA海外赴任セミナー》本社が知っておくべき社会保険制度など

株式会社エヌ・エヌ・エーと株式会社レオパレス21が9日に東京都内で開いた「NNA海外赴任セミナー=赴任者、管理者が押さえておきたいポイント」の詳細をお伝えする。新たに海外赴任する社員と送り出す本社総務・サポート部門が知っておくべき海外での情報収集術や社会保険制度、不動産事情について3人のエキスパートがそれぞれ講演した。

■「海外駐在員のための情報収集術」

岩瀬彰:株式会社エヌ・エヌ・エー 代表取締役社長

<東南アジアのメディア>

オールドメディア離れやネットメディアの発達があるものの、日本の新聞発行部数は世界でも突出して高く、東南アジアで比較的部数の多いシンガポールと比べても人口1,000人あたりの発行部数が2倍以上になる。東南アジアでクオリティペーパーとして定評のある英字紙について、以下国別に挙げる。

シンガポールでは、「ストレーツ・タイムズ/サンデータイムズ」「ビジネス・タイムズ」「ニュースペーパー」の3紙。いずれもSPH(シンガポールプレスホールディングス)の傘下。

ストレーツ・タイムズ/サンデータイムズはシンガポールを代表する日刊の一般紙で、質の高いニュースや分析、論評に定評がある。

インドネシアには英字紙が1紙しかなく、「ジャカルタポスト」が唯一ジャカルタ首都圏において発行されている。

フィリピンには5紙あり、中でも東南アジア初のビジネス紙と言われるのが「ビジネス・ワールド」である。発行部数は15万1,000部。土曜日はオンライン配信のみとなる。

タイで外国人が読む率が高いのが「バンコクポスト」。創刊1946年と歴史がある。

マレーシアでは「ニューストレーツタイムズ」「スター」「SUN」の3紙。代表的な日刊紙はニューストレーツタイムズだが政府寄りの記事が多い。発行部数30万部のSUNはフリーペーパー日刊紙で駅などで配布されている。

ミャンマーは「ミャンマー・タイムズ」が在住外国人の間では最も読まれている現地紙である。

カンボジアでは「カンボジア・デイリー」と「プノンペン・ポスト」の2紙があり、両方とも反政権の立ち位置で米国人ジャーナリストが立ち上げたものである。

ベトナムでは「ベトナムニュース」と「ベトナムインベストメントレヴュー」の2紙。前者は政治・法律から社会、経済、スポーツまでカバーする日刊紙。後者は経済紙で、企業情報、投資ニュース、不動産情報などビジネス紙的な存在のものである。

<存在感増す華字紙>

東南アジア各地では英字紙以外に華字紙も発行されている。中国企業や中国政府が絡んでいる事業を華字紙が独自に書いていることがあるため、チェックが欠かせなくなっている。

東南アジア諸国連合(ASEAN)だけでも各国情勢が違うため、NNAでは現地語の新聞を網羅し、尚且つ必要があれば現地企業・日系企業に確認を取った上で記事を出している。また、英字紙と華字紙で特に経済ニュースで食い違ったことを述べている場合があるが、並立した上でより正確な情報を提供し、華字紙にのみ出ているコンテンツも含め読者に届けている。

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■「サポート部門として知っておきたい海外駐在員のための日本の社会保険制度」

福本祐子氏:社会保険労務士法人みらいコンサルティング 特定社会保険労務士 コンサルタント

<日本の社会保険資格継続にメリット>

海外赴任時の社会保険制度について、以下の注意点に留意されたい。

一般的には、日本企業から基本給などが支払われていれば日本の社会保険資格を継続し、一部手当のみの支払いであれば喪失させられることが多い。資格を喪失した場合、国内在留扶養親族がいる場合は、国民健康保険に加入するか、健康保険の任意継続を行う。

家族全員で海外に居住する場合は、現地の健康保険制度や民間の海外旅行保険制度に加入する。

資格が喪失していない場合であっても、海外では日本の健康保険被保険者証は使えないため、現地で一旦医療費は全額を支払い、保険者(協会けんぽ、または健康保険組合)に海外療養費を請求することになる。

しかし、日本国内の医療機関などで同じ傷病を治療した時にかかる診療報酬点数を基準に計算されるため、実費負担額が3割で収まらないケースがあるので、民間の海外駐在員保険などに加入し、高額な自己負担に備えることが多い。

国民年金については、社会保険資格を喪失した場合でも、国民年金の任意加入ができ、保険料を納付すれば年金額計算の対象となり将来の年金受給額が増えるため、メリットが大きい。

帯同する配偶者の失業給付は受給できる期間を1年から最大3年間延長できるので手続きすると良い。

労災保険について、海外で勤務する従業員は原則労災保険の適用除外であるが、特別加入の手続きをすることで給付を受けることができる。提出期限が特別加入を希望する日の30日前から前日までのため、希望日以後に提出した場合は遡って加入できず、承認前に発生した災害に関しては給付の対象とならないため、注意が必要である。

業務災害、通勤災害の認定がされなかった場合に備え、民間の海外駐在員保険でカバーすることもある。

休業(補償)給付の額は、休業1日につき給付基礎日額の60%である。さらに労働福祉事業として給付基礎日額の20%の休業特別支給金が支給され、合計で1日につき80%の給付となる。事業主の申請により労働局長が給付基礎日額を決定する部分が国内労災と異なる部分である。

<社会保障協定国で異なる対応>

社会保障協定締結国に当初から5年以内の予定で赴任する場合は、申請により赴任国での社会保険の加入が免除され、日本の年金加入期間を協定先の国の年金制度に加入していた期間とみなして取り扱い、その国の年金を受給できるように通算される。

協定を締結する相手国の制度内容に応じて、その取扱いが異なる場合がある。各国と結んでいる協定に共通する取扱いや手続きについての詳細は、年金機構ホームページを参照。現在、社会保障協定が締結・発効されていない国に赴任していても、適用される可能性もある。

社会保障協定は延長申請が可能であり、海外赴任期間の延長が生じ、当初の社会保障協定の適用証明期間を超えて赴任先で勤務する場合、申請により現地での社会保険加入が引き続き免除になることがある。申請の結果、延長が認められなかった場合は、日本の社会保険を喪失して相手国の社会保険制度に加入することになる。

海外赴任が長期に渡り日本の年金額が増やせない弊害を改善するため、締結国の年金制度に加入しながら、同時に日本の厚生年金制度に加入できる制度として厚生年金の特例加入がある。

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■「グローバル企業のための海外不動産事情~ベトナム編~」

宮崎眞一氏:株式会社レオパレス21 法人企画部 WBS営業推進課課長

ベトナムに特化した不動産情報であるが、エリア別の特徴を挙げる。北部の首都ハノイと南部のホーチミンでそれぞれ特徴の違いがあるものの、どちらも日系企業の進出が多く、製造業、サービス業はもとより、近年ではIT企業の増加が見受けられる。

<ハノイはエリアで家賃に差>

大使館や各省庁が並ぶ中枢地域で、行政・金融の中心地である旧市街地エリアは、日系企業が多いため日本食店も多数ある。しかし、区画整理が遅延しており道幅が狭く交通渋滞が激しい。建物規制もあり今後は他エリアへの分散が予見される。

高級住宅地で抜群のロケーションを誇るタイホーエリアは、アクセスも良く、家族向けの物件が多いが、家賃が極めて高い。かねてより欧米系の駐在員が多い。

日本大使館があるキンマーエリアは利便性の高さから単身向けの物件が多く、日本人街がある。郊外へのアクセスも良い。

大規模開発が進んでいるコウザイエリアは日系企業も多く交通インフラの整備もされている。新築物件が多いが家賃も比較的安価で、レオパレス21推奨のエリアでもある。

<大型マンションが増えるホーチミン>

ホーチミンは5つの区にエリアが分かれている。

ベトナムを代表するビジネスエリアである1区は、日本人街があり外資系企業も多く利便性も良いが、家賃が高い。利便性を重視する単身者にとっては人気のエリアである。

2区は近年最も開発が進む注目のエリアである。地下鉄開通予定でインフラ整備が進み利便性が向上し大型マンションの開発がされている。

3区は中心部にごく近い閑静な住宅街である。飲食店も多く生活環境が整っている。

7区は2000年代初めに開発された比較的新しい高級住宅地であり家族滞在者向けである。非常に綺麗に区画整備された町並みであり、日本人学校もあるため、子供がいる世帯は7区を選択する確率が高い。中心部からは離れている。

中心部に近い高級住宅街のビンタン区は大型マンションが多く家族向けである。工業団地へのアクセスが良好で、地下鉄の開通も予定している。

まとめるとベトナムの不動産傾向として、ハノイは旧市街地の再開発計画があるが、早くから郊外の開発に着手している。ハノイ市西部地域、紅河を挟んだ東部地域の開発が目立つ。現地財閥系デベロッパーの大型開発案件が多く、不動産価格は上昇基調にある。

ホーチミンは大型マンション開発が、建設中の地下鉄沿線を中心に進んでいる。1区に行政、経済、住居が集中していたが、集合住宅の建設に規制をかけたことにより、郊外に分散傾向が見られる。近年はサービス産業の進出が目覚ましく、日系の百貨店(高島屋)や大型スーパー(イオン)も進出している。

2年間の現地駐在経験などを基にベトナムの不動産事情について話したレオパレス21の宮崎眞一氏=9日、東京(NNA撮影)

2年間の現地駐在経験などを基にベトナムの不動産事情について話したレオパレス21の宮崎眞一氏=9日、東京(NNA撮影)


関連国・地域: ベトナム日本
関連業種: 金融建設・不動産メディア・娯楽マクロ・統計・その他経済

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