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【プロの眼】日本人学校という選択 日本語と外国語をバランス良く学べる学校も

グローバル教育のプロ 森山正明(第6回)

グローバルに活躍できる人材の育成が求められる時代になっている(新華社)

グローバルに活躍できる人材の育成が求められる時代になっている(新華社)

世界中に日本人学校は86校存在しています。日本の主権の及ばない外国では、外務省が中心となり、海外子女教育の振興のためのさまざまな施策が講じられています。主な施策は、文部科学省が各都道府県から選出された優秀な教員を派遣していることです。例えば、私が勤務したことがある香港日本人学校やシンガポール日本人学校へ文部科学省(各都道府県選出)から派遣されてきた教員は30~40代の中堅教員が多く、クラス運営がしっかりできる教員ばかりでした。若い世代の先生も、あえて海外へ教鞭(きょうべん)をとりに行く熱い使命感をもっている方が多いです。

■日本語と英語の重要性

日本人学校のメリットは、なんといっても母国語である日本語で教科学習をしっかりと学べる点です。同時に現地校との交流活動や、現地理解教育も積極的に行っています。

さらに日本人学校でも、小学校から英語の授業を週に3回(多いところでは毎日)取り入れているケースもあり、語学の学習環境としてはバランスが良くなっています。日本語で物事の考え方を深め、その上で英語やその他の言語を積み上げていく環境は、日本人の子供たちにとってとてもプラスです。

英語の重要性は年々高まっていることも事実です。10年後は確実に外国人としっかりと議論を戦わせていく能力が求められるでしょうし、日本だけではなく国境を越えて協力しなければ解決できない物事が増えるにつれて、英語を使ってのコミュニケーション力は必須になるでしょう。

「グローバルクラス」という特別なカリキュラムを組んだ日本人学校も出てきています。2016年4月に香港日本人学校香港校で小学4年生から開講。17年4月には、シンガポール日本人学校中学部でも1年生と2年生でスタートしました。このクラスでは、国語と一部教科を除いては、英語で学習を進めます。中でも、香港日本人学校の「グローバル・スタディーズ」や、シンガポール日本人中学部の「国際教養ゼミ」は、グローバルクラスの看板授業になっています。この2クラスの概要は、下記の表を参考になさってください。

■発信力を磨こう

上述したように、両校とも「グローバル人材の育成」が大きな目標です。世界的諸問題を解決できる人材を輩出する取り組み――こう言うと一般人には縁遠く聞こえてしまいがちです。でも、異文化に対する寛容性と幅広い教養、そして社交性を養う上で、英語は単なるツールであり、ツールを駆使する能力――つまり「発信力」が必要とされる社会への必要不可欠な準備と考えれば、身近なテーマに感じられるのではないかと、私は考えます。

日本人はよくアピールが上手ではないと言われます。机上の知識を蓄積(≒記憶)する学習に注力しすぎているのが従来型の日本の教育に一因があるのかもしれません。その一方で、発信するノウハウをあらゆる授業の場で共有し、切磋(せっさ)していく教育が、ここ数年の香港やシンガポールのリアルな傾向なのです。‟能ある鷹は爪を隠し”てばかりでは宝の持ち腐れでしょう。

海外での教育施設をどうするかは、家族帯同で赴任する駐在員ファミリーにとっては大きな問題です。ローカル校、インターナショナル校、日本人学校と、日本より多くの選択肢があり、それぞれの学校に長所・短所があります。それぞれの学校に適した学習塾や補習校などの補助的教育施設もあります。

<プロフィル>

森山正明(もりやま・まさあき)

香港日本人補習授業校教員、香港日本人学校大埔校非常勤講師。エデュケーショナル・アクティビスト(教育活動家)として、定期的に香港、広東省、シンガポールで「おとなの社会科見学」を主宰。アジア・グローバル時代の子育て・教育に役立つ情報サイト『みんなのグローバル受験』編集長。北京・香港・シンガポールで教育事業に20年従事。二児の父。香港在住。

※特集「プロの眼」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2018年12月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: 香港日本
関連業種: 社会・事件

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