アデレードで開催された豪州石油生産探査協会(APPEA)の年次会合で、BHPビリトンや英BP、仏トタル、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルなど世界のエネルギー大手らが、豪州国内でのシェールガス資産の取得に強い関心を示した。米国での教訓を活かし、シェールガス資産の価格が高騰する前に早期投資を進めたい考え。16日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。
シェールガスブームに沸いた米国では、多くのエネルギー会社が資産取得に高額を支払ったものの、この後ガス価格は伸び悩み、BHPは米国内のシェールガス資産において269億米ドル(約2兆1,615億円)の評価減を計上していた。米国でのシェールガス分野への投資額が数百億米ドルに上るのに対し、豪州では6億豪ドル(約479億円)程度にとどまっているのが現状だ。このためエネルギー大手は、米国での経験を教訓に、豪州国内でシェールガス資産の価値が高まる前に投資を加速する方針だ。
これらの大手企業は、南オーストラリア州クーパー盆地や西オーストラリア州のカニング盆地とパース盆地、北部準州など、豪州中部でシェールガス資産を模索しているという。豪連邦政府のファーガソン資源相は、「シェールガスの探査は最近始まったばかりだが、シェールガスの発見によって国内のガス埋蔵量が倍増する可能性がある」と期待感を示した。
ただしアナリストの間では、掘削作業に年間で数十億豪ドルを要するシェールガス事業について、今が投資を加速するのに適した時期かどうか疑問視する見方も出ている。コンサルタント会社ウッド・マッケンジーは、豪州のシェールガス資産に関心が集まっているものの、実際に生産が開始されるのは2020年以降になるとの見解を示している。
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