給与の前払いで離職率低下へ 人材リーラコーエン、アプリ発表

人材紹介サービス業のネオキャリア(東京都新宿区)のインドネシア子会社リーラコーエン・インドネシアは、給料日前でも働いた分の給与を前払いする福利厚生サービスを5月初旬から無料で提供する。インドネシアでは、蓄えが少ないため、ちょっとした急な出費に対応できず、週払いの会社に簡単に転職してしまう従業員が少なくない。国内初のこのサービスは、離職率低下に貢献すると期待されている。

リーラコーエンが発表する給与前払いアプリ「ウルトラ・テック」の前払い申請画面(同社提供)

リーラコーエンが発表する給与前払いアプリ「ウルトラ・テック」の前払い申請画面(同社提供)

従業員は無料のスマートフォンアプリ「ウルトラ・テック」を使って前払いの請求を行う。従業員がアプリを起動すると、企業がリーラコーエンに登録した従業員の勤怠・給与データを基に計算した、前払いできる給与の総額が表示される。従業員は必要な金額をリーラコーエンに申請すれば、リーラコーエンがその金額を立て替え、指定の振込口座に入金する。

リーラコーエンの藤木賢一取締役は、インドネシアでは、クレジットカードを持たず、貯蓄もほとんどないことから、「医療費や車両修理費といった突発的な出費に対応できなかったり、携帯電話のプリペイド(先払い)入金ができなかったりする従業員が多い」と指摘。このため、週払い対応の有無やわずかな給与待遇の差で簡単に転職してしまう従業員が後を絶たず、定着率の低さが課題となっている。藤木取締役は「給与前払いサービスの導入で、離職率の低下に加え、業務に及ぼす悪影響の軽減や、生産性の向上も期待できる。インドネシアが抱える労働問題の課題解決に努めながら、従業員が健康的でストレスの少ない生活ができる社会の構築に貢献したい」と語った。

給与前払いサービスのユーザー数は既に1万人に達しており、そのうち約半数が日系企業の従業員だという。リーラコーエンは、人材紹介業とともに前払いサービスを同社の2本柱として位置付け、事業を拡大していく。

ウルトラ・テックは、ネオキャリアの子会社エニグマが2年前に日本で発表したスマホアプリ「エニグマ・ペイ」をインドネシア向けに対応させた。日本では前払いシステムを導入後、3割程度だった離職率が2割ほどに低減した企業があったという。

リーラコーエン・インドネシアは2013年設立で、資本金は25億ルピア(約1,962万円)。従業員数100人で、うち12人が日本人。首都ジャカルタのほか、西ジャワ州カラワン市や同州ブカシ県チカランにも拠点を構えている。

前払い申請にかかわる従業員の勤怠データは会社のパソコンで管理できる(リーラコーエン提供)

前払い申請にかかわる従業員の勤怠データは会社のパソコンで管理できる(リーラコーエン提供)


関連国・地域: インドネシア
関連業種: IT・通信金融・保険雇用・労務

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