牛カツ専門店などの飲食店を展開する京都勝牛は11月28日、オーストラリアのシドニーで同国１号店となる「牛カツ京都勝牛」をグランドオープンした。一般客を迎え…

オーストラリア

店舗は地下鉄シドニーメトロ・ガディガル駅近くのビルに位置し、317平方メートルと国内外約90店舗の中で最大となった。座席数も100席を備える。日本国内では、韓国人客に特に人気が高いことから、現地では主に中国系・韓国系客層をターゲットにしている。
■「リピーターにさせる自信あり！」
28日に開かれたグランドオープンイベントには、京都勝牛の三宅隆文代表取締役会長のほか、料理家の和久田哲也氏、新店舗のオーナーのニクソン・アレックス氏も参加した。
三宅氏によると、同店では看板商品の牛カツをじっくり味わってもらうため、他国にあるメニューが多い店舗と比べ、メニュー数を３分の２ほどに絞っている。Ａ５ランクの宮崎県産黒毛和牛を使った定食も提供しており、三宅氏は「日本の和牛は、こちらのワギュウとは味の深みが大きく異なる。予算に余裕のあるお客様ならリピーターにできる自信がある」と語った。
また和久田氏は、「オーストラリアでは牛肉はステーキが主流で、牛カツという新カテゴリーに挑む姿勢は素晴らしい。本物の日本の味が広がってほしい」と期待を寄せた。
三宅氏は、牛カツの知名度を上げることが重要だとし、「長い歴史を持つ豚カツをライバル視しており、将来的には豚カツを追い抜くつもりだ。オーストラリアでは豚カツの知名度があるので、牛カツの需要も十分あると考えている」と話した。
オーストラリアの外食市場では日本食人気が際立っている。グーグルの検索キーワード分析で、日本食は2025年の検索数で月間平均20万2,500件となり、２位以下の料理と大きな差を付けた。一方で日本料理店の数は全体の3.9％にとどまり、需要に追い付いていない状況だ。
■独自性が成功の鍵
こうした中、日本食需要に強い期待を寄せるのが、同店のオーナーのアレックス氏だ。同氏は、ラーメン店「ＭＥＮＳＨＯ」のシドニー店などを手がけており、来年は国内で日本食レストランを16店舗展開する予定だという。
同氏は、「多くのオーストラリア人が日本を訪れる中、日本で体験した本物の味を母国でも食べたいという需要が高まっている。外国人の間でも知名度が高く、独自性のある勝牛は成功すると確信している」と話した。
勝牛の特徴は肉質だけではなく、つけだれや食べ方にもある。定食には、だし醤油や山椒塩、勝牛のオリジナルソース、和風カレーつけ汁のほか、本わさびと西洋わさびをブレンドしたわさびや温泉たまごもついてくる。各席には専用の小型の焼き台も備えられている。
来店したオーストラリア人男性は、「焼き具合を自分で調整できるだけでなく、時間がたっても肉を温められるのがユニークだ。肉も柔らかく、クオリティーがとても高い」と笑顔を見せた。
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