ミャンマー政府系の通信会社のミャンマー郵電公社(MPT)が、携帯電話市場でのシェア拡大に向け、少額のトップアップ(料金加算)カードを発売した。従来は5,000チャット(約575円)が最低額だったが、新たに1,000チャットと3,000チャットのカードを加えた。携帯を保有していない低所得層を取り込む狙いだ。
今月12日に少額のトップアップカードを全国の販売店などを通して発売した。MPTとKDDI、住友商事との合弁会社であるKDDIサミット・グローバル・ミャンマー(KSGM)の長島孝志最高経営責任者(CEO)は「顧客の利便性を高める」と背景を説明する。
少額カードでターゲットとするのは低所得層だ。MPTは昨年、数十米ドルで取引されていたSIMカードを1,500チャットに値下げした。12日には通話料やショート・メッセージ・サービス(SMS)の送信料を下げた。低額SIMカードと料金値下げに少額トップアップカードを加え、携帯の身近さを低所得層に訴える。
ミャンマーでは、携帯と固定を合わせた電話の普及率は「23%にとどまる」(テイン・セイン大統領)。インフラ整備が遅れていることに加え、所得が低く携帯に手の届かない国民が多いからだ。月間の所得が100米ドル(約1万1,700円)に満たない人々も少なくない。
MPTは、トップアップカードの最低額が5,000チャットでは購入できる層の拡大に限界があると判断、少額カードの発行に踏み切ることにした。競合するカタールのOoredooやノルウェーのテレノールは既に、少額のカードを発売している。
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