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【日系企業がゆく】インテリジェンス広州

第51回

人材総合サービス大手のインテリジェンス(英創人材服務(上海)有限公司)は10月、満を持して華南地区に進出した。「世界の工場」から「世界の市場」へ――。「産業構造の高度化で、華南でも多様化する人材需要に応えていくのが使命」と、同社華南地区運営総監の西田真士氏は語る。【広州・吉沢健一】

インテリジェンスの中国での歴史は長い。前身の上海創価人材服務が設立された1996年から数えると、来年で15年になる。上海の本社をはじめ、北京と大連、天津に拠点を持つ。先月、これに蘇州と広州が加わった。

会社の規模は現在、中国全体で130人。日系人材会社でも最長の歴史、最大の規模を誇るにもかかわらず、華南地区への進出は今年にずれ込んだ。

西田氏によると、華南地区への進出は当初2008年末の予定だったが、リーマン・ショックの影響を受けて人材市場が急激に縮小したため、2年間延期されたという。

ただ、今年に入って市場は完全に回復し、リーマン・ショック前よりもさらに高い水準にまで伸びている。円高で日系企業の海外進出・生産移転が再び加速しているほか、「中国市場を狙ったサービス企業の進出など多様化している」と西田氏。「日系の同業他社に比べて遅れはしたものの、華南地区で総合的な人材サービスが必要とされるのはこれからだ」と自信をみせる。

■産業高度化で多様化する華南求人

「3年で中国拠点を増やし、面でのサービス充実を目指す」と、積極的に拠点を拡大していく路線を明確に打ち出したのは、昨年のこと。現在は、新たな蘇州と広州を合わせると合計6拠点。あと残り2年間でさらに拠点を増設する方針だ。

インテリジェンスと合弁会社を設立した2007年、「中国で一番の人材総合サービス会社になる」という大きな目標を新たに打ち立てた。拠点数を拡大することで、面でのサービスの幅を持たせることも、そのひとつの過程だ。

華北と華東、華南という沿岸部の主要都市に範囲を広げるだけではない。急成長をし、日系企業の進出が目立つ武漢や成都、西安など内陸部への進出も考慮しているという。

華南地区では、来年4月ごろをめどに深セン市にも拠点を設立する予定だ。

面を広げることで、例えば上海にある総括本部で人材採用を担当する企業などに対し、上海で依頼を受けて広州や深センでの人材紹介するサービスも可能となる。

ところが問題がある。中国では一線で働くワーカーをはじめ、人材不足が慢性化していることだ。特に、日系企業が最も必要とする日本語人材で不足が目立つようになってきていると、西田氏は指摘する。

世界的な経済危機を経て、華南地区でもハイテク産業やサービス産業などを新たな成長エンジンへと構造転換を図っていくことへの重要性が再認識された。改革解放後の30年間は、工場で単純作業をする出稼ぎ労働者(農民工)を中心とするワーカーを大量に採用していれば事足りた。

これからの中国ではモノをつくるだけでなく、中国でモノを売っていかなければならない。そうなれば、単に工場の中国人ワーカーと日本人幹部との間に立ってコミュニケーションできる日本語人材だけでは不十分となっているのだ。

■採用のアウトソーシングも

だからこそ、これからは組織を優秀な中国人で固める、現地化が求められる。現地の市場や現地特有のビジネスルールを理解し、現地企業を相手に堂々と営業できる人材も多く採用する必要があると西田氏。「華南地区の日系企業も採用をいままで以上に高度化していくのが大きな課題となってくるだろう」という。この新たな課題に、人材紹介にとどまらない同社の新たなサービスが役立つと紹介する。

これまで華南の日系企業は生産現場が多く、採用活動はワーカーが中心。優秀な人材を採用するための戦略を確立してこなかった。明確な採用基準もなく、「あいつはいいやつだ」「とりあえず日本語ができるから」という、総経理の個人的な嗜好で採用を決めることも少なくない。ただ、これだと組織がまとまらず、発展が阻害される原因ともなりかねない。

この欠点を根本から修正するため、同社では顧客企業の採用の戦略の立案から広報の仕方、実際の採用活動、面接までを一括してコンサルティングするサービスを開始している。これらのサービスの中核となる採用担当者を顧客企業に派遣することもできる。「採用の方向性をしっかり定めること」がポイントとなるという。

西田氏は「華南企業の人材・採用における中長期的なパートナーとなっていきたい。採用前からの気軽な相談も受け付けているので気軽に問い合わせていただけたら」と話した。(了)

<会社データ>

会社名:英創人材服務(上海)有限公司広州分公司

所在地:広州市天河区天河路228号広晟大厦1810室

電話番号:+86-20-3833-1330

創立:2010年10月

<全国>


関連国・地域: 中国-全国日本
関連業種: 建設・不動産サービスマクロ・統計・その他経済雇用・労務社会・事件

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