豪州で緑茶生産を行っている伊藤園は4月15日、豪州産食品の輸出促進事業「テイスト・オブ・トゥモロー」のパートナー企業に選出されたと発表した。東京の在日豪州大使館で12日、認定証と感謝状を授与された。
同社は1994年、ビクトリア州ワンガラッタに100%出資の現地法人である伊藤園オーストラリアを設立、2000年から茶園を造成した。日本品種の茶樹を導入し、04年には現地で収穫した茶葉を保存に耐えられる状態の緑茶に加工する荒茶工場の稼動を開始した。
現在では、豪州産緑茶を主に今後の需要拡大が見込まれる北米向けに輸出している。昨年4月には、豪州産緑茶を原料に使用した北米市場向け「ティーズティー」ブランドの茶系飲料「グリーンストレート」の販売を日本でも開始した。この商品は日本産と豪州産の茶葉をブレンドしており、同社は無糖・無香料で緑茶の香りとすっきりした後味が楽しめるとしている。
また、同社はこれまで15年以上、主力商品の1つである野菜飲料の原料に豪州産のニンジンを使用してきた。
テイスト・オブ・トゥモローは、豪州政府が日本を重要な輸出先と位置付けて豪州産食品の輸出促進とブランド価値向上を目指す事業で、今年から本格的にスタートした。今回は、伊藤園の豪州での緑茶生産事業や、豪州産原料を使用した商品開発が評価された。
授与式で在日豪州大使館の正宗エリザベス公使は「日本の伝統的な飲み物である緑茶を伊藤園が豪州で栽培し、豪州産としてアピールしてくださっていることを、たいへんうれしく思います」と述べた。伊藤園は今後も豪州産食品を積極的に活用していく方針だ。【4月30日付NNA豪州農業ニュースより】
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