香港金融管理局(HKMA)は8日、貿易代金の決済に見せかけた人民元投機を防止するため、人民元清算に関するガイドラインを発表した。
それによると、貿易に伴う人民元清算時には、◆商品貿易に関するものであること◆中国本土との貿易に関するものであること◆人民元との交換と商品の受け渡しの時間が一致していること――を証明する必要がある。
また、不適正な取引に伴う人民元買いにはポジション解消を求めるほか、違反行為を繰り返した市中銀行には、人民元清算行との取引を一時停止する処分を下すとした。
このほか、人民元清算行との間の清算額が2億人民元(約24億5,000万円)を超えた場合、市中銀行は扱った貿易決済のうち、金額が大きい10件について、送金が規定を満たしているかどうかを内部でチェックすることが義務付けられる。市中銀行は、月初にHKMAに確認文書を提出しなければならない。
香港と本土の間では、人民元の上昇観測を背景として、関連企業間で貿易を見せかけ、資金を人民元に交換し、本土に送金するケースが相次いでいる。9日付信報によると、中国本土の銀行業界関係者は「輸入に絡む人民元清算の80%は実態を伴わないものだ」と指摘した。<香港>
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。