タイ工業連盟(FTI)自動車部会のスパラット部会長は27日、自動車に掛かる物品税改正についてのセミナーで、税制を変える場合はメーカーが対応できるよう、5年の猶予期間が必要と発言した。税制改革の方針を打ち出した財務省に対し、早急に進めようとする姿勢をけん制した。28日付各紙が報じた。
報道によると、財務省物品税局は二酸化炭素(CO2)排出量が走行1キロ当たり120グラム以下の車両に対し、現行の物品税率を5%引き下げ、反対にCO2排出量が150グラム以上の車両については税率を5%引き上げるとする新税率を検討している。新税率の施行までに3年の猶予期間をみている。
これに対しスパラット部会長は、「猶予期間でCO2排出量150グラム基準に対応できるメーカーはほとんどなく、実質的な税率引き上げ。民間企業は政府に対し5年の猶予期間を求めているが、これでもまだ早すぎる。日本やドイツは10年かかっている」と指摘。増税による負担は国民が負うことになるとして、早急なCO2排出基準の導入に反意を表明した。
セミナーはタイ自動車産業協会(TAIA)が主催し、日本自動車工業会(JAMA)とドイツ自動車工業会(VDA)の代表がそれぞれ、日本と欧州での自動車の排ガス環境税制について講演した。
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