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子ども危機、「失われた世代」の出現防げ

ミャンマーの人権状況を担当する国連人権理事会のアンドリュース特別報告者は14日、同国の子どもが「失われた世代」(ロストジェネレーション)となることを防がなければならないとする声明を出した。昨年2月のクーデターで実権を握ったミャンマー国軍の残虐行為を食い止めるためのこれまでの国際社会の働き掛けは失敗したと指摘。各国が団結して国軍への圧力を強めるべきだと主張している。

声明でアンドリュース特別報告者は、「ミャンマーの子どもの苦しみを軽減するため、国連加盟国は国軍に対する体系的な圧力を強めるべきだ」と訴えた。国軍と国軍に関係する企業に制裁を科している国はより連携し、残虐行為のための資金源を絶たなければならないとしている。

「ウクライナ危機と同様に、緊急なものとしてミャンマー危機に対応しなければならない」とも話した。

ミャンマーへの人道支援を劇的に増やす必要があるとも強調した。国連のミャンマーに対する人道対応計画に必要な資金に対して各国が拠出を確約している金額の割合は10%にとどまっているという。

具体的に支援が必要な分野として、教育や医療などを挙げた。ミャンマーの子どもの現状に関する同日付の報告では、貧しい子どもを支援する国際非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」が1日に発表した声明の数値を引用し、780万人以上の子どもが学校に通えていないと訴えた。この数値は、14歳以下の人口を1,350万人と推定し、過去2年に児童・生徒の半数超が学校に通えなかったとして算出した推定値。今月には新学年度が始まっており、武力衝突が少ない都市部などでは、子どもの登校を再開させる動きも出ている。

■PDFも児童労働

報告では、民主派を壊滅させようとするミャンマー国軍による空爆や焼き打ちにより、子どもだけで25万人が住居を失い、国内避難民になったと指摘した。国軍兵士や警察官、国軍派の武装勢力は、子どもの殺害や誘拐、拘束、拷問を行っていると訴えている。

報告では強制労働も問題視した。国軍のみならず、民主派が武装した国民防衛隊(PDF)や少数民族武装勢力も子どもを労働力として使っていると指摘。ただ、「PDFと少数民族武装勢力が労働力とする多くの場合は、国軍の攻撃によって避難を余儀なくされた、支援が必要な子ども」と訴えている。PDFの各部隊では、子どもが武器の製造や食事作り、見張りなどに従事しており、少年兵として戦闘を行っている可能性もあるという。

民主派による挙国一致政府(NUG)が今年3月、PDFの各部隊が18歳未満の子どもを参加させることを禁止したとも指摘した。ただ、PDFの部隊は数百存在するとされ、NUGがどの程度統制しているのかは明らかにされていない。


関連国・地域: ミャンマー
関連業種: 政治社会・事件

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