オーストラリアの水素関連企業アクアエアレム(Aqua Aerem)が、北部準州(NT)ダーウィンで水素を製造するため、乾燥した空気中から水分を捉える試験プロジェクトを開始したことが分かった。持続可能な水資源の確保を目指し、NTのような乾燥地帯でも水素産業をけん引していけるような基盤を作る狙いだ。
アクアエアレムは、地場エンジニアリング・コンサルティング企業アクセンチウムとオールイによるジョイントベンチャー。空気中の水分から、国内利用または輸出向けに再生可能エネルギーを利用した「グリーン水素」を製造する技術を開発している。
NT政府によると、今回のプロジェクトは、テナント・クリークに設置された試験施設で12週間にわたり実施される見通し。水分を捉える際のデータを蓄積し、技術の更なる最適化を図るという。
テナント・クリークは、太陽による放射エネルギーが非常に高いため、太陽光発電を利用したグリーン水素の製造を行う拠点としては魅力的だ。NT政府は、新技術により水資源を確保することで、2050年までに二酸化炭素(CO2)実質排出ゼロの達成を目指すとしている。
オーストラリアのグリーン水素製造について、メルボルン大学の専門家は「世界市場で成功するには、政府は明確な目標を定めるべきだ」と主張している。
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