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【オセアニア在外公館便り】第8回 在オークランド日本国総領事館(NZ) 帆の都市からKia ora !(マオリ語でこんにちは)

オークランドに住んでみるとまず、気候の良さに驚かされます。平均気温が夏は21度、冬は12度と1年を通じて大変マイルドなのです。体に優しい当地の気候に惹かれて、多くのシニア層が移住するのもうなずけます。【中山喜弘・首席領事】

また、豊かな自然にいるユニークな生き物に魅了されます。NZには、ワニ、蛇さえいません。ニュージーランド(NZ)はオーストラリア大陸の一部でしたが、分離した後、一度海に沈んだため,羽がある鳥のみが棲みついたというのが理由のようです。

飛んできた鳥たちも天敵がいないため、飛ぶ必要がなく、キウイを代表する飛べない鳥が生息するようになりました。ダチョウのお化けのような、体長3メートル以上にもなるモアが1,500年頃までは当地にもいた由、今も生きていればNZの良い宣伝になったと思うと残念でなりません。

ヨットのアメリカズカップが開催されるワイテマタ湾

ヨットのアメリカズカップが開催されるワイテマタ湾

先住民マオリ系への配慮にも気付かされます。国歌斉唱は最初にマオリ語で、その後英語が続く慣例となっています。国政選挙においては全国に7つのマオリ選挙区も設定されています。

さて、話をコロナに移しますと、NZは感染封じ込めでは世界でも優等生。アーダン首相が強い指導力を発揮し、厳格なロックダウンとすべての入国者に対する14日間の管理隔離によって、コロナの感染拡大を防止しています。

新たな市中感染の発生により2月15日より再度ロックダウンに入りましたが、その約5カ月間、市民はほぼ支障なく日常生活を過ごすことができました。

■日系企業が整備したインフラ

オークランドは人口160万人の当国最大の都市で、10年前に近郊都市と合併し、スーパー都市とも呼ばれています。大都市ゆえ、交通渋滞は最大の課題です。主要公共交通機関としてバスが走っているものの、市民の多くが自動車通勤しており、激しい交通渋滞を招いています。

特に、新興住宅地も多い北部については、ワイテマタ湾を横断して行かなければなりませんが、60年代後半に日本企業が拡張工事を実施したハーバーブリッジを通るしかなく、道路交通のボトルネックとなっています。

17年に日本企業が完成させたウォータービュー・トンネルをはじめ、市は交通渋滞の解消に努めているものの、道路整備が追いつかない状況です。

のどかなコーンウォール公園でたわむれる羊たち

のどかなコーンウォール公園でたわむれる羊たち

電車網もモータリゼーションの影響を受けて未発達。3路線が走っていますが、もともとは貨物線のためアクセスが悪く市民の足とはなっていません。座って通勤できるのは利用者には助かりますが、市の将来を考えると電車の活用は不可欠と思われ、市は中心街の地下で既存路線との接続線を建設中です。

■1人当たり消費量が世界最大なのは……

大都市と言っても、市中心から車で15分程度にあるコーンウォール公園には羊や牛が見られ、NZが酪農国であることを再認識させてくれます。ちなみに1人当たりのアイスクリームの消費量はNZが世界最大で、音楽コンサートのインターバルで大人たちがアイスクリームを頬張る微笑ましい光景もあります。

オークランドの主要な収入源である観光客、外国人留学生がいなくなり、コロナによる経済的打撃は極めて深刻です。今年11月に当地にて開催予定だったAPEC首脳会合もテレビ会議への変更が決定されました。

しかし、3月のワイテマタ湾でのヨット・アメリカズカップは開催予定です。フルーティーかつ爽やかな味で有名なNZのソービニヨンブラン・ワインを片手に、連覇をかけたNZチームを応援することになりますが、コロナによる強い向かい風に耐えているオークランダーとしては、連覇を果たし順風な経済復興への契機としたいところです。

<次回掲載の3月9日はソロモン諸島大使館が担当します。お楽しみに>


関連国・地域: オーストラリア日本
関連業種: 政治社会・事件

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