マレーシアの建設大手イレカ・コーポレーションは、レールを使わずに道路を自動走行する次世代都市交通システム「ART」の実証試験を開始する。ジョホール州南部のイスカンダル開発地域(IDR)で行う。中国製の車両が20日、ジョホール港のコンテナターミナルに到着した。エッジが伝えた。
イレカは、中国の鉄道車両メーカー、中国中車(CRRC)傘下のCRRCアーバン・トラフィック(CRRCUT)と設立した合弁会社モビルスを通じて、ARTの試験走行を実施する。モビルスへの出資比率はイレカが51%、CRRCUTが49%となる。
イレカグループのライ・ブーンホン社長は「ARTの実証試験は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で多少遅れたものの、21年初めの開始にこぎ着けた」と述べた。
イレカによるARTの走行試験は、イスカンダル地域開発庁(IRDA)が主導する総延長2,000キロメートルに及ぶイスカンダル・マレーシア・バス高速輸送システム(IMBRT)導入計画の第1期に当たる。環境配慮型の車両を使って、都市部の乗客輸送のための中容量輸送システムの実現を目指す。
ライ社長によると、試験車両は3両編成で、乗員は300人以上。時速は最高70キロメートルという。
試験走行に併せて、マラ工科大学(UiTM)の研究機関、マレーシア運輸研究所(MITRANS)が技術的な実現可能性調査を行い、都市交通システムに関する報告書をまとめる予定だ。
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