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【アジア取材ノート】アジアで伸びるテーマパーク

サンリオ、ハノイに東南ア最大の施設

経済発展と所得水準の向上に伴い、アジアでテーマパークの需要が伸びている。ベトナムの首都ハノイでは、「ハローキティ」などの人気キャラクターで知られるサンリオ(東京都品川区)とのライセンス契約による大型屋内テーマパークがお目見えする。延べ床面積約3万平方メートルの施設は、「サンリオ」ブランドのテーマパークとしては東南アジア最大規模。子どもから大人、さらにはベトナム国内外から集客を図る。

屋内型テーマパーク「サンリオ・ハローキティワールド・ハノイ by BRG」のプロジェクト発表会の様子。中央がサンリオの代表的なキャラクターの「ハローキティ」。右から2人目がサンリオ海外事業部アジアの辻CEO、左から3人目がBRGグループのガー会長=5月19日、ハノイ

屋内型テーマパーク「サンリオ・ハローキティワールド・ハノイ by BRG」のプロジェクト発表会の様子。中央がサンリオの代表的なキャラクターの「ハローキティ」。右から2人目がサンリオ海外事業部アジアの辻CEO、左から3人目がBRGグループのガー会長=5月19日、ハノイ

ベトナムのコングロマリット(複合企業)、BRGグループは5月19日、屋内型テーマパーク「サンリオ・ハローキティワールド・ハノイ by BRG」のプロジェクト発表会をハノイで開いた。

BRGグループが、サンリオから使用許諾を受けて、サンリオ・ブランドのテーマパークを建設・運営する。近年開発が進むハノイ市タイホー区のイエンフー通りに面した敷地に建設する。タイ湖に隣接し、近隣には「インターコンチネンタル・ハノイ・ウエストレイク」や「シェラトン・ハノイ」といった高級ホテルやサービスアパート、飲食店などが並ぶ。

サンリオを代表するキャラクター「ハローキティ」に加え、「マイメロディ」「ポムポムプリン」「けろけろけろっぴ」「ぐでたま」といったキャラクターをテーマに、乗り物やゲーム、カフェ、レストラン、小売店などを設置する計画だ。

タイのバンコクに本社を置くコンセプトi(Concept i)が設計を手掛け、英国とフランスに拠点を構えるインターリンクが乗り物を担当する。

BRGグループは、「ベトナムにおける初の国際基準のテーマパーク」と説明している。2021年11月の開業を予定しているが、具体的な投資額や着工時期はこれまでのところ明らかにしていない。

■遊びながら創造力を育む施設に

BRGグループのグエン・ティ・ガー会長は、発表会が開かれた5月19日が故ホー・チ・ミン主席の129回目の生誕記念日であることに言及し、「ベトナムの子どもたちに並々ならぬ愛情を注いできた故ホー主席の記念すべき日にこのようなプロジェクトの発表会が開催できて光栄だ」とコメント。テーマパークでは乗り物のほか、交通安全や料理をテーマにした教室など年齢が比較的高い子どもも遊びながら創造力を高めることができるゲームを提供するほか、飲食店や小売店などを設置することで年齢を問わず楽しめるとし、「ベトナム人だけではなく、海外からの観光客も誘致したい」との考えを示した。

サンリオ海外事業部アジアの辻友子最高経営責任者(CEO)は、何十年も前から日本と友好関係を結んでいるベトナムには大きな期待と可能性を感じ、これまでにもキャラクター商品の販売やハローキティをテーマにしたマラソン大会、季節ごとの装飾などを実施してきたと説明。「長年の夢であったテーマパーク建設という大型プロジェクトに関われることを光栄に思う」と述べ、世の中が商品から体験重視型に移行しつつある中、乗り物やパレード、カフェ、レストラン、小売店などの展開を通じて、世界に通用するテーマパークを目指していくと語った。

辻CEOによると、同プロジェクトは4年の歳月を経て今回の正式発表に至った。BRGグループは16年10月、サンリオグループのサンリオウェーブ香港と同テーマパーク建設に向けた覚書(MOU)を締結していた。

サンリオは来年、設立60周年を迎える。現在、450種類以上のキャラクターを展開し、約130カ国・地域に進出している。海外ではマレーシア、中国(上海、浙江省安吉)、韓国(ソウル、済州)にテーマパーク・アミューズメントパークを展開する。

サンリオの広報担当者は、アジア市場について「非常にポテンシャルが高く、サンリオのキャラクターに対する親和性が高い。サンリオとして注力すべき市場と考えている」と説明。今後のテーマパークなどの設置先として「経済環境を見つつ、中国を中心にあらゆる国・地域、都市をターゲットとして考えている」と話した。

■20年には中国が世界最大市場に

香港ディズニーランドでは香港と中国本土を結ぶ海上橋「港珠澳大橋」の開通によって本土からの入場者数が増えた(NNA撮影)

香港ディズニーランドでは香港と中国本土を結ぶ海上橋「港珠澳大橋」の開通によって本土からの入場者数が増えた(NNA撮影)

米エンジニアリング大手エイコム(AECOM)のリポートによると、18年のアジアにおけるテーマパークの入場者数トップ20の合計入場者数は1億3,910万人で、前年から3.6%増加した。

アジア市場のけん引役は、14億人の人口を抱え、国民の所得水準の向上が続く中国だ。18年のテーマパーク別入場者数の1~3位は東京ディズニーランドなど日本の施設だったが、4~20位のうち13カ所が中国・香港の施設が占めた。うち9カ所が前年から来場者数を伸ばした。

中国のテーマパーク入場者数は08~17年の10年間で年平均13%増の伸びを示す。20年には年間入場者数が2億3,000万人に達し、米国を上回る世界最大の市場になると予測されている。

一方で人口1人当たりの入場回数に換算すると、中国は17年時点で年0.13回、20年でも0.16回に過ぎず、米国の0.65回(17年)を大きく下回る。同リポートは「中国のテーマパーク産業はまだ成長を続ける余地がある」と指摘。中間層の増加と交通網の発展が市場の拡大を後押しするとの見方を示している。

旺盛な需要を取り込もうと、テーマパークへの投資拡大も見込まれる。リポートは、18~20年の総投資額は745億元(約1兆2,000億円)、21~25年は1,300億元に達すると予想している。

※特集「アジア取材ノート」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2019年6月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: ベトナム日本
関連業種: 観光メディア・娯楽

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