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保護主義の波に対抗、ASEANの統合深化で

国際機関の日本アセアンセンターは8日、同日に51周年を迎えた東南アジア諸国連合(ASEAN)の経済統合を討議するシンポジウムを東京都内で開催した。米中の「貿易戦争」や保護貿易主義の波を食い止めるために、ASEANは経済統合を深化させ、日中やASEANなど16カ国が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)のようなメガ地域自由貿易協定(FTA)を早期に締結する必要性が確認された。

シンポジウムで発言するリロASEAN事務次長(右から2人目)=8日、東京都港区(NNA撮影)

シンポジウムで発言するリロASEAN事務次長(右から2人目)=8日、東京都港区(NNA撮影)

ASEAN事務局のアラディン・リロ事務次長(ASEAN経済共同体=AEC担当)は、米中の「貿易戦争」について、ASEANで生産する(電子関連などの)中間財が中国に輸出され、完成品として中国から米国などに輸出されているケースが多く、ASEAN域内のグローバルチェーンは大きな影響を受けると指摘した。2015年末にAECが発足し、ASEANは経済統合が実現した。25年までの目標としては、非関税障壁を撤廃しつつ域内貿易だけではなく、サービス・金融・通信の自由化も実施しながら、ASEANの技術力や生産性の向上を図っていく、と述べた。

九州大学の清水一史教授は、日本とASEANは貿易自由化によって生産ネットワークを構築し、繁栄してきたモデルだと指摘。インドなどを含めた東アジアの経済統合でも、ASEANは中心的な役割を占めると述べた。ASEANの域内関税の自由化率(ゼロ関税の割合)は約96%と高く、ASEANの経済統合は大きな成果を収めている、と述べた。保護貿易主義の動きに対しては、米国を除く11カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)のようなメガFTAの重要性を強調した。経済産業省の篠田邦彦通商交渉官も、保護貿易主義の波に対抗するためには「RCEPなどによって自由貿易圏を拡大するしかない」と語った。

■中国アセアンセンターも参加

シンポジウムには、中国アセアンセンター(本部・北京)の陳徳海事務総長と韓国アセアンセンター(本部・ソウル)のイ・ヒョック事務総長も出席した。陳氏はシンポジウム後、NNAに対し「日本アセアンセンターの活動を見習いつつ、貿易・投資・観光などの分野で、中国とASEANの関係強化に努めたい」と語った。

ASEAN各国と日本が運営資金を拠出する日本アセアンセンターは1981年に設立された。同様の国際機関である中国アセアンセンターは2011年、韓国アセアンセンターは09年に設立。3者は定期的に会合を開いている。


関連国・地域: 中国韓国シンガポール日本ASEAN
関連業種: マクロ・統計・その他経済政治

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