当地に進出する外国企業は、現地法人に「〇〇〇PHILIPPINES」という社名を付けることが多い。この国名部分を日本語に訳すときにいつも悩む。原語の発音を重視するなら「フィリピンズ」。だが読み手が日本人であることを思えば「フィリピン」が自然だ。
旧宗主国スペインが一帯の諸島を「フェリペ2世の島々」と命名したことに由来する当地の国名。古い書物をみると、日本語の表記は比律賓、ヒリッピン、フィリッピンといったバリエーションを経て今に至る。頭文字の発音が「H」から「F」になったり、「ッ」が抜け落ちたりと、時代ごとに変化がある一方、語尾の「S」は常に存在感がない。
外国からの投資拡大を目指すドゥテルテ政権は、今年は大胆な規制緩和を計画する。外資の進出を後押しする政策は歓迎だが、現地法人が増えれば社名も増え、巡り巡って「S」の悩みも増えそうだ。(成)
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