• 印刷する

【アジアに行くならこれを読め!】『新・中華街 世界各地で〈華人社会〉は変貌する』

至る所に掲げられた漢字の看板、スーパーマーケット中に漂うアジアンな食材の匂い、耳に飛び込んでくる中国の方言——。かつてフランスに住んでいたころ、パリ13区にあるチャイナタウンをよく訪れた。観光客でにぎわう横浜の中華街と異なり、「華人のための華人の街」といった雰囲気が印象的だった。

チャイナタウン研究の権威である著者によると、こうした華人同胞を対象とした店舗や施設が集まる街はチャイナタウン発展の「第一段階」だ。ここから、華人以外の現地の人々をひきつける観光地や商業地にステップアップしていく。日本にも、三大中華街とは異なる第一段階のチャイナタウンが形成されており、その代表的な存在は池袋北口一帯のエリアとなる。著者は、中国の改革開放後に世界に飛び出した華人らによって新たに興ったエスニックタウンを「新・中華街」と定義。その成り立ちや旧来の中華街との比較から、華人社会の「食」、世界各地での華人の政治参加など、幅広い角度から新・中華街と華人社会を分析する。

本書に登場する新・中華街は、池袋から始まり、北米、欧州、アジアと地球規模に展開される。華人の移住の歴史や各地で現地化する中国料理の紹介などを読めば、海外渡航の行き先についチャイナタウンを追加したくなること請け合いだ。

──────────────────────────────

『新・中華街 世界各地で〈華人社会〉は変貌する』

山下清海 講談社

2016年9月発行 1,550円+税

───────────────

レジの女性は、私に「八毛五(パーマオウー)」(八五セント)と言い、一ユーロを渡すまで、筆者はすっかり中国世界に浸っていた。(本書より)

───────────────

<目次のぞき見>

日本三大中華街との違い

新華僑が急増するイギリス・フランス

現地化・大衆化する中国料理

日本老華僑の僑郷??福建省福清市

地域社会との葛藤

───────────────

山下清海(やました・きよみ)

立正大学地球環境科学部地理学科 教授。1951年、福岡市生まれ。86年、筑波大学大学院博士課程地球科学研究科修了(理学博士)。秋田大学、東洋大学、筑波大学の教授を経て2017年4月から現職。専門は人文地理学、華僑・華人研究。主な著書に『東南アジアのチャイナタウン』『池袋チャイナタウン?都内最大の新華僑街の実像に迫る』など。

※特集「アジアに行くならこれを読め!」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2018年2月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: 中国-全国日本
関連業種: 社会・事件

その他記事

すべての文頭を開く

日本企業、韓国で商機探る 中小企業商談会開催(09/21)

テイクオフ:「偽札が1枚あったら全…(09/21)

首都にごみリサイクル施設 大崎町、州政府と協力し事業化へ(09/21)

河村電器、ドンナイ省に現法設立(09/21)

千代田インテが車載部品強化 電動化に対応、機能材に強み(09/21)

8月の新車販売、28%増の8.7万台(09/21)

日系TVP、情報会社フロンティアに出資(09/21)

日本も「一帯一路」参画を 中国建設大手や外資海運が期待(09/21)

日本品質保証機構、日本電計と越で合弁(09/21)

8月の新車販売(表)(09/21)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社エヌ・エヌ・エーは一切の責任を負いません。

NNAからのご案内

出版物

各種ログイン