インドネシア政府が、欧州連合(EU)のパーム油輸入規制の動きに攻勢をかけている。2015年にマレーシア政府と設立した「パーム油産出国委員会(CPOPC)」の代表がEU本部のあるベルギーの首都ブリュッセルで先週からロビー活動を開始。KLMオランダ航空の機内誌がパーム油の不使用を呼び掛ける内容の記事を掲載していることに対し、一部文言の削除を求める抗議書簡を送った。27日付ジャカルタ・ポストが伝えた。
CPOPCのマヘンドラ理事(インドネシア)は、KLMのピーター・エルベルス最高経営責任者(CEO)へ宛てた書簡で、KLMの見解は「見当違いがあり、世界の植物油市場の現状や地球環境への影響について無知である」と指摘。インドネシアが独自に「持続可能なパーム油の国内規定(ISPO)」認証を導入していることや、植物油の世界需要を満たせるのは生産性の高いパーム油だけであるなどと強調した。
KLMオランダ航空は機内誌で、パーム油を使用した製品の納入を受け付けない方針を示唆。代替品がない場合は、国際非営利団体「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」の認証を受けたパーム油のみを使用するよう業者に求めた。
EUの欧州議会は4月、パーム油の輸入規制の強化を定める決議案を採択。決議案には、パーム原油を用いたバイオディーゼルの輸入を20年までに禁止することなどが盛り込まれた。
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