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【Aのある風景】縁の下でしっかり支える、防大のアジア人留学生

幹部自衛官を養成する防衛大学校(横須賀市走水)。2月の強い寒風にさらされながらの分隊教練を終えたタイ人留学生、ギーラパット・カンソンポット(24)が笑みを見せたのは、取材を受けるために宿舎へ戻ってからだった。「東日本大震災の時でも日本人はきちんと整列し取り乱すことはなかった。それはなぜなのか。日本人と一緒に過ごせば、少しは答えが分かるんじゃないかと思った」。日本行きを希望した理由を説明してくれた。

防大には現在、彼のような本科留学生が113人(うち女性4人)在籍する。タイ、ベトナム、モンゴル、カンボジア、フィリピン、東ティモール、ラオス、ミャンマー、インドネシア、シンガポール、韓国の11カ国からやって来ている。1958年にタイから受け入れたのが始まりだ。日本人と同じ教育課程、同じ訓練を行う。もちろん日本語で。大半の学生が来日1年目は日本語のみを学ぶが、3年生、4年生ともなれば流ちょうな日本語を話すようになる。

インドネシアから来たシンギィー・アリオセノ(23)は第14中隊の学生長をつとめた。4年生として後輩を指導する立場だ。誰でもなれるわけではない。指導教官が彼の学習・生活態度や人柄などを総合的に評価して指名した。「後輩には怖い先輩と思われているようです。その方が指導しやすいですね」と笑う。

彼は3月に卒業し、本国に戻る。日本とインドネシアの教育、訓練を熟知する者として、両国の懸け橋になりたいという。ギーラパットもそうであるように、留学生たちは帰国後、それぞれの国の軍隊で幹部として活躍すると期待されている。日頃は目立つことのない彼らだが、縁の下で日本との関係をしっかり支えている。(敬称略)

シンギィーは間もなく卒業するが、留学生たちとは毎年11月に行われる開校記念祭などで交流できる。全員がホームステイ先のホストファミリーを持ち、日本の生活や文化を体験する。

シンギィーは間もなく卒業するが、留学生たちとは毎年11月に行われる開校記念祭などで交流できる。全員がホームステイ先のホストファミリーを持ち、日本の生活や文化を体験する。

※特集「Aのある風景」は、アジアを横断的かつ深く掘り下げる、NNA倶楽部の会員向け月刊会報「アジア通」2017年3月号<http://www.nna.jp/lite/>から転載しています。毎月1回掲載。


関連国・地域: タイ日本
関連業種: 政治社会・事件

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