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【22年の10大ニュース】コロナに翻弄された1年

経済低迷も、来年に光明

2022年の中国経済は新型コロナウイルスに翻弄(ほんろう)された。感染を徹底して抑え込む新型コロナ対策は、感染力の強い変異株「オミクロン株」に対して十分な成果を上げられず、各地で感染が拡大した。
そのたびに強い移動・行動制限が打ち出されたことで、経済は停滞した。3月末から約2カ月続いた上海市でのロックダウンは中国経済に大きな打撃を与え、第2四半期(4~6月)の経済成長率はプラスを維持するのがやっと。その後も各地で断続的に感染が拡大したことで、経済の回復は遅れた。今年の経済成長率が政府目標(5.5%前後)を下回る3%台にとどまるのはほぼ確実だ。
一方、12月になると、新型コロナを巡る政府の対応は一気に変わった。初旬には新型コロナ対策の重点を感染防止から重症化防止に移し、移動・行動制限を大幅に緩和。経済・市民生活の本格的な正常化に向けてかじを切った。来年1月8日からは入国後の集中隔離措置を撤廃することも決まった。ただ急激な緩和は新型コロナ感染者の急増につながっており、当面の経済はこれまでと同様に停滞する見通し。
それでも各種の新型コロナ規制の撤廃がゆくゆくは消費関連の経済指標を押し上げ、来年の成長率を高めるとの声が多い。3期目に突入した習近平政権は経済を“コロナ後”に導くことができるか。