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【有為転変】第163回 オーストラリアの危機感(上)

オーストラリア連邦政府が6月末に、今後40年間に国内人口がどう推移するかを見通した「世代間報告書(IGR)」を発表した。これは、人口動静による国内経済や財政への長期的影響を予測したもので、5年ごとに行っている。政府は毎年これを基に新年度財政予算の支出項目を決めており、非常に重要な報告書とされる。報告書で特筆されているのは、オーストラリアの人口増加ペースが今後緩むことに対する危機感である。そのことは、日本政府が長年軽視し、自分の首を真綿で絞め続けていることでもあるので詳しく紹介したい。