電子部品などの開発・製造を手掛ける知能システム（富山県南砺市）は、シンガポールと香港でセラピー用のアザラシ型ロボット「パロ」の本格販売を始めた。このほ…

シンガポール

電子部品などの開発・製造を手掛ける知能システム（富山県南砺市）は、シンガポールと香港でセラピー用のアザラシ型ロボット「パロ」の本格販売を始めた。このほど香港の大手商社、馮氏集団（フォン・グループ）傘下のＩＤＳメディカル・システムズ（ＩＤＳＭＥＤ）と代理店契約を締結。現地でのアフターサービス体制を整え、高齢化が進む両地域で医療機関を中心に需要取り込みを狙う。
知能システムの担当者はＮＮＡに対し、両地域での販売目標は設定していないが、世界全体で今年は前年比32％増の500体の販売を目指すと明らかにした。海外向けは全体の３割ほどで、医療福祉施設で活用されていると説明した。パロは人間の呼びかけに反応し、抱きかかえると喜んだりすることから、人を精神的に癒す効果があるという。
シンガポールでは、９～10日に東部シンガポール・エキスポで開催中の「ヘルスケア・プロダクティビティー・セミナー（主催・保健省）」で、ＩＤＳＭＥＤと、認知症高齢者向けデイケアサービスセンターにパロを試験導入しているアルツハイマー病協会（ＡＤＡ）が、パロを１体ずつ出展している。
ＩＤＳＭＥＤ（シンガポール）のリー・レンレン上級マネジャーは、シンガポールには50カ所以上の特別養護老人ホームがあり、認知症の高齢者は増えているため、潜在的な需要はあると指摘。すでに２体を販売したほか、数件の問い合わせがあると明らかにした。販売価格は１年間の保証付きで9,000Ｓドル（約77万7,000円）ほどだ。
パロは、産業技術総合研究所とマイクロジェニックス（富山県南砺市）が共同開発し、知的財産権のライセンスを得た知能システムが2005年に市販を開始。日本国内のほか、米国で販売子会社、欧州でデンマークの販売代理店を通して販売している。これまでに累計3,000体以上を販売し、うち４分の３が日本国内、残りが欧米となっている。
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