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【アジアエクスプレス】巣ごもりで熱高まる 韓国人のコーヒー愛

韓国人はコーヒーが大好きだ。オフィス街には専門店が軒を連ね、カップ片手に歩く姿をよく目にする。新型コロナウイルス感染症の流行下、関連商品のオンライン販売は伸びている。自宅で高品質な味を楽しめるカプセル式マシンが脚光を浴び、割安で飲める「月額商品」も登場するなど、韓国人のコーヒー愛と消費はますますホットになってきた。(NNA韓国 清水岳志)

ネスレのコーヒーマシン「ネスプレッソ」は、自宅でも高品質のコーヒーが味わえると消費者から人気だ(カン・ダソムさん提供)

ネスレのコーヒーマシン「ネスプレッソ」は、自宅でも高品質のコーヒーが味わえると消費者から人気だ(カン・ダソムさん提供)

KB金融経営研究所によると、韓国の成人1人が1年間に飲むコーヒーの量は353杯に上り、世界平均132杯の約3倍に達する(2018年基準)。コーヒーショップやカフェの売上高は米国や中国に続く3位だが、人口差を考慮すると韓国人がいかにコーヒーにお金を費やしているかが分かる。

コロナ流行下の外出自粛や営業制限で外食業は大きな打撃を受けたが、韓国人のコーヒー愛はとどまることを知らない。コーヒーチェーンの実店舗では利用客が減るなどの影響を受けた一方、オンライン販売はむしろ伸びた。

食品専門の電子商取引(EC)サービスを運営するカーリーが20年のコーヒー販売量を分析したところ、新型コロナ流行が始まった2月は前月に比べて42%増えた。6月も前月比16%増を記録した。

また、韓国でコーヒーチェーン最大手のスターバックスコリアでは、コーヒー豆の売り上げが前年比33%急増。これは、9月以降にカフェでの店内飲食を禁止する防疫措置が全国的に施行されたことで、店頭でコーヒー豆を購入して自宅で飲む消費者が増えたためだ。

輸入量も増えた。韓国関税庁の貿易統計によると、20年1~8月のコーヒー豆輸入量は17万6,648トンと、前年比5.4%増えた。8月時点で10万トンを超え、その後もペースが衰えず過去最高を更新した。輸入額も7億3,780万米ドル(約763億円)と11.5%増えた。

■手軽で安くて味も多彩、家で人気のカプセル式

これまで自宅用は、お湯を注ぐだけのインスタント製品やドリップ式が主流だった。しかし、コロナ禍ではより本格的な味を楽しめる「カプセル式」の販売が最も伸びた。

カプセル式は、あらかじめ豆をひいた粉を親指大のカプセルに密閉保存。これを専用マシンにセットしてボタンを押せば、いれたてのコーヒーを手軽に楽しむことができる仕組みだ。

カーリーのサイトの販売比率では、昨年8月のコーヒー商品全体の3割強をカプセル式が占めたほか、スーパーマーケット大手・Eマートでは同1~8月のカプセル式の販売量が前年同期比64.9%増と大きく伸びた。

「新型コロナ流行による在宅勤務の導入で家にいる時間が増えたため購入を決めたが、とても満足している」

ソウル市内の会社員で海外営業を担当するオ・ジャヒョンさん(30代・女性)はコロナ禍の昨年6月、スイス系食品大手のネスレが展開するカプセル式コーヒーマシン「ネスプレッソ」を購入した理由をこう話す。

オさんは元々、米コーヒーチェーン大手のスターバックスなどリアル店舗でコーヒーを楽しんでいたが、流行後は敬遠するようになった。しかし、「コーヒーを飲みたい欲求があり、インスタントやドリップ式では満足できなかったため、さまざまな味が楽しめるカプセル式を選んだ」という。

カプセル式は、1杯当たりの価格が実質1,000ウォン(約90円)前後と割安な点も消費者から支持される。コーヒーマシンを友人からプレゼントされたというカン・ダソムさん(30代・女性)は「甘さなどを自由に調整でき、自分の好みに合わせたコーヒーを入れられるのも魅力」と話した。

■実店舗では月額サブスク、「1日1杯」が8割安も

自宅でコーヒーを楽しむ人が増える半面、リアル店舗では集客に向けて月額でコーヒーを提供する「サブスクリプション型サービス」が登場した。

CJグループのベーカリーチェーン「トレジュール」は昨年7月、1万9,900ウォンで1日1杯のアメリカーノを30日間飲めるサービスを直営店で開始した。毎日飲めば通常価格よりも約8割安くなる計算だ。反響も良く、9月には全国の200以上の加盟店にサービスを拡大した。

運営するCJフードビルの広報担当者は「コーヒーは購入周期が短い。加盟店に導入する最適な販売モデルと判断した」と、サービス拡大の背景について話した。

定期購入はデパートやコンビニエンスストアにも登場した。新世界百貨店はソウル市中区の本店や瑞草区の江南店、釜山市のセンタムシティー店などに入店するカフェ「ベキアエヌーボ」で定額商品を発売。1カ月6万ウォンで、アメリカーノかカフェラテを1日1杯飲める。

コンビニ大手のGS25では、月額2,500ウォンの有料会員に加入するとコーヒー商品を最大60回、25%割引で購入できるサービスを開始した。

新型コロナ流行で生活が大きく変わるのに合わせ、流通業や外食業も顧客を取り込むための変革に乗り出している。韓国のコーヒーファンの心をつかむため、各社の取り組みもさらに進化を遂げそうだ。

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■LGバリスタロボ、指導士資格を取得

インストラクターの資格を取得したLG電子のバリスタロボット(同社提供)

インストラクターの資格を取得したLG電子のバリスタロボット(同社提供)

韓国LG電子は昨年12月20日、自社開発したロボットのバリスタが韓国コーヒー協会からコーヒーインストラクターの資格を取得したと発表した。ロボットの取得は国内初。

同社は「バリスタロボットが入れたコーヒーの味が、インストラクターと同じレベルにあると認められた」と説明している。

ロボットは、コーヒー豆の種類だけでなく◇豆のひき方◇抽出時間◇お湯の温度や量――など、ハンドドリップコーヒーをおいしく入れるために必要な情報を入力。テストを何度も繰り返したという。

LG電子は21年にも、主にLG製品を扱う家電量販店のLGベストショップでバリスタロボットを販売する計画だ。

※特集「アジアエクスプレス」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2021年2月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: 韓国日本
関連業種: 食品・飲料サービス社会・事件

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