国際協力銀行(JBIC)が三井住友銀行(SMBC)と共に、太平洋の島しょ国パラオが進める海底通信ケーブルの敷設で、合わせて800万米ドル(約8億3,112万円)を折半で融資することが分かった。NECが海底ケーブルの輸出と敷設を行う事業で、JBICとSMBCは8月からパラオの国営企業へ、段階的に融資を実施する。今回の融資は、日本と米国、オーストラリアがインド太平洋地域のインフラ投資に関する業務協力で結んだ覚書に基づく初の案件となる。【NNA豪州編集部】
JBICとSMBCの融資対象となるのは、NECが2018年に受注したシンガポール、香港と米国を結ぶ大容量光海底ケーブル敷設プロジェクト「BtoBE」の一部。融資先となるパラオ国営ケーブル公社は、2021年3月までに完成予定の同海底ケーブルを分岐して、パラオの通信網と接続させる。
JBICの広報担当者はNNA豪州に対し、融資の償還期限については非開示だと述べた。
JBICはパラオへの融資について、16年より開始した「特別業務」を適用する。JBICは特別業務について、国債の信用格付けが低い国への融資事業を対象にするものとしており、特に日本企業が関係する海外インフラ事業の拡大を狙うもので、リスク・テイク機能を強化したものだと説明している。
パラオへの海底ケーブルの分岐事業は、日本と米国、オーストラリアが協力して支援するインフラ開発案件。太平洋諸島への影響力を強めようとする中国に対抗するものだ。
JBICは2018年に、米国の国際開発金融公社、オーストラリアの外務貿易省と同国の輸出信用機関と覚書「「インド太平洋におけるインフラ投資に関する三機関間パートナーシップ」を交わしていた。
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