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【インフルエンサーinアジア】 エリカ・エビサワ・クスワンさん

アイドルJKT48出身

“いい日本”を伝えたい

SNSで多数のフォロワーを持ち、強い影響力を持つインフルエンサーが注目を集める昨今。そんな彼・彼女たちの中から、日本とアジアをつなぐインフルエンサーをご紹介。

愛らしいルックスと聡明さを併せ持つエリカさん。現在はインフルエンサーとして、インドネシア人向け就労相談サービスやインドネシアオフショアでのバーチャルキャラクター及びバーチャル空間の開発を行う株式会社LINXEED(京都府)に所属(NNA撮影)

愛らしいルックスと聡明さを併せ持つエリカさん。現在はインフルエンサーとして、インドネシア人向け就労相談サービスやインドネシアオフショアでのバーチャルキャラクター及びバーチャル空間の開発を行う株式会社LINXEED(京都府)に所属(NNA撮影)

第1回に紹介するエリカ・エビサワ・クスワンさん(日本名:海老沢恵莉香)は、アイドルグループ「AKB48」の姉妹グループとしてジャカルタで結成された「JKT48」の元メンバー。現在は東京外国語大学国際日本学部で学ぶ傍ら、日本の文化やトレンドをインドネシアの若者に発信するインフルエンサーとして活動の場を広げている。

インドネシア人の父、日本人の母を持ち、幼稚園から高校まで東京・目黒の東京インドネシア共和国学校で学んだ彼女。大学入学を機に渡ったジャカルタでJKT48に入り、その後、インフルエンサーになるまでの経緯は、聞けばなかなかに運命的だ。

アイドルへの道は幼少期に始まった。見ていたアニメの影響でいつしか憧れを持ち、小学生のときにAKB48のファンになったエリカさん。「でも私はムスリム(イスラム教徒)なので、日本のアイドルに求められる露出度の高い衣装や水着になるのはNG。なので、2011年にJKT48が結成されたとき“私がやりたいのはこれだ!”と思いました」

「国立大学しか認めない」という両親の方針に従い、学生時代は猛勉強し名門インドネシア大学公衆衛生学部に合格(翌18年に文化学部に転部)。高校卒業後に単身、インドネシアに渡る。ホームシックになりながらも学業に勤しんでいたある日、JKT48のオーディション開催というチャンスが訪れる。

Instagram:erika_ebisawa 17.9万人(フォロワー数。以下同)
YouTube:Erikacang 16.6万人
Twitter:@erika_ebisawa 7.2万人
※フォロワー(登録者)数は20年10月21日現在

Instagram:erika_ebisawa 17.9万人(フォロワー数。以下同) YouTube:Erikacang 16.6万人 Twitter:@erika_ebisawa 7.2万人 ※フォロワー(登録者)数は20年10月21日現在

■モザイク処理した映像に、インドネシア視聴者が驚き

「応募の年齢制限は13歳から18歳まで。すでに18歳だった私には最後のチャンス。絶対に入ってやる気持ちで挑みました」。その願いが通じ、オーディションを見事突破。6期生のメンバーとなり、学業と並行して18年4月から念願のアイドル活動をスタート。バイリンガルのメンバーとして大活躍する。

しかしその後、オーディションと同時期に受けていた日本の文部科学省の国費外国人留学生制度の試験に合格。インドネシアに残りJKT48の活動を続けるべきかどうか悩んだそうだが、「日本の大学で学びたい」という夢をかなえるために、19年2月、JKT48を脱退する。

突然の脱退にファンからは惜しむ声が相次いだ。それに応える形で開設したのが、個人のSNS。現在は東京外国語大学で学ぶ傍ら、動画投稿サイト「ユーチューブ」などで日本各地の流行スポットや、最新カルチャーなどをインドネシア語で発信。日尼双方のバックグラウンドを持つ彼女ならではのコンテンツが、日本に興味を持つインドネシア人の心を捉えている。

「内容は、おしゃれなカフェの紹介から奨学金制度の解説までさまざま。インドネシアのインスタント麺の食べ合わせを実験するちょっとふざけた動画もあります(笑)。フォロワーは10~20代の方がメインですが、いろんな方に見ていただきたいのでテーマやジャンルは特に限定していません。一般的にインドネシア人は日本のことを“面白い国”と思っているんですが、私自身もそう感じます。日本には“よくそこまで考えるな”というもの、サービスがすごく多い。そういったインドネシアにはない、良いもの、面白いものを今後も紹介していきたいです」

「インドミーにトッピング」
インドネシア製インスタント麺の食べ合わせを実験。ワサビやチョコレートなどをトッピングしてみるが…。右の男性は、インドネシアで活躍する日本人ユーチューバーのタクヤ(「Erikacang」のユーチューブより)

「インドミーにトッピング」 インドネシア製インスタント麺の食べ合わせを実験。ワサビやチョコレートなどをトッピングしてみるが…。右の男性は、インドネシアで活躍する日本人ユーチューバーのタクヤ(「Erikacang」のユーチューブより)

日本のユーチューブでは一般的な、映り込みした人にモザイクを掛ける処理もインドネシアでは珍しいそうで、「“こういうの初めて見た。すごいですね”ってコメントが来ました(笑)」。

順調に活動を続ける一方、立ちはだかったのが新型コロナウイルス感染症の流行。紹介したい店舗が閉まっていたり、外出した動画をアップすると、“なぜ外に出ているのか”という批判的なコメントが寄せられたり、少なくない影響があったと語る。

「でも、活動を通じて同じインフルエンサーの友人ができたり、インドネシアが好きな日本人と知り合えたり、精神的に充実しています。仕事的にもインドネシアのオンラインショップのPRに起用していただいたりして、今年の夏はいい意味で忙しく過ごせました」

アイドル出身の経歴を生かし、9月には本格的なプロモーションビデオ調の歌唱動画をユーチューブにアップ。1カ月で再生動画回数は20万回を突破し、フォロワーから大きな反響を得ている。

「歌を含めて今後もいろんなことに挑戦して、日本とインドネシアの懸け橋になれたらと思っています」

<インフルエンサー miniQ&A>

Q.動画制作Tipsは?

撮影は自分のスマートフォン。自撮り棒を使用することも。撮った素材は知人の紹介で知り合ったインドネシア人の動画エディターに送り、字幕などの加工を依頼。BGMはこんなふうにして欲しいといったことはあらかじめリクエストするほか、日本語がある場合は自分で文字に起こして、時間を指定して入れてもらっています。依頼してからの制作期間は1週間程度。

Q.参考にしているユーチューバーは?

編集の参考にしているのはインドネシア出身のインフルエンサーで、ユーチューブで「Nihongo Mantappu(日本語最高)」というチャンネルを運営しているジェローム・ポリンさん。男女2人組の「パパラピーズ」は、日常の中のどっきり企画といった設定が面白く参考に。個人的に好きなのは美容系の「ゆうこすモテチャンネル」。

「京都へ旅行!!」
友人と共に京都を旅した様子もユーチューブにアップ。鳥居など日本独特の文化をインドネシア語で丁寧に解説(同)

「京都へ旅行!!」 友人と共に京都を旅した様子もユーチューブにアップ。鳥居など日本独特の文化をインドネシア語で丁寧に解説(同)

Q.バズった動画は?

東京・国立の「スターバックスコーヒー nonowa国立店」の紹介動画。このお店は、聴覚に障がいがある方がスタッフとして働いていて、コミュニケーションの一つとして手話が使われているんです。インドネシアでも手話を使う方が結構いらっしゃるんですが、「感動した」という声をたくさんいただきました。イスラム教の断食月(ラマダン)明けに、父と一緒にインドネシア料理を作った動画も「おいしそう」といい反響でした。

エリカ・エビサワ・クスワンさんの動画は以下から閲覧できます。

https://www.youtube.com/watch?v=Mg3zbKYhxBE&feature=emb_title

https://youtu.be/bPAmarSFxL4

※特集「インフルエンサーinアジア」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2020年11月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: インドネシア日本
関連業種: メディア・娯楽社会・事件

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