• 印刷する

在豪NZの日系企60%、売上減 新型コロナ影響アンケート

NNA豪州が在オーストラリア・ニュージーランド(NZ)の日系企業を対象に実施した、「新型コロナウイルス感染症による影響調査」で、今年現在までの売り上げが減少したと答えた割合が60%に達したことが明らかになった。景気が急速に冷え込む中、中には「80%減少した」とする企業もあり、日系企業に与えている事態の深刻さが浮き彫りになった。一方で、オーストラリアやNZ政府の対応には約80%が「評価できる」と回答し、地元政府に対する根強い信頼感もうかがえた。【NNA豪州編集部】

調査はアンケート形式で、先月31日から4月3日の間に在オーストラリア・NZの日系企業を対象に実施し、業績への影響や従業員の勤務体制、今後半年間の対応、現地政府や日本政府への要望などを聞いた。135社から有効回答を得た。

新型コロナウイルス感染症の拡大で、業績への影響は出ているかどうかについては、76%と圧倒的な割合が「影響が出ている」と回答。そのうち、売り上げが前年同期比で減ったと回答した割合は、「大いに減少した」(24%)と「少し減少した」(36%)を合わせ、60%に上った。「あまり変わらない」は22%で、逆に「増加した」とする企業も5%あった。

具体的には、「消費者の買い控えや販売店の閉鎖などがマイナスに影響した」(輸入卸売業)、「必要な面会などが全く行えなくなった」(製造業)などという意見が見られた。

■85%が在宅勤務導入

一方、オフィスの日本人従業員の赴任や帰国への影響があったかどうかについては、「影響がなかった」とした企業が61%に上り、「影響があった」(39%)を大きく上回った。

従業員の勤務体制については、「一部が在宅勤務」が53%と最多で、「全員在宅勤務」が32%となった。合わせると85%に上る企業が在宅勤務を導入しているようだ。ただし、「全員がオフィスに出社している」とした企業も7%あった。

在宅勤務で懸念される点については、「スタッフ間のコミュニケーション方法」(33%)や「(従業員の)労働時間の把握」(30%)が多かった。

また今後6カ月間の対応については、「在宅勤務を継続する」との回答が70件だったほか、「マーケティングや営業方法の見直し」が57件に上った。

■「首相自ら説明し、メッセージも明確」

オーストラリアやNZ政府の対応を評価した意見の一部は以下の通り。

◆「徹底した人命尊重を重視した政策と経済を支援する政府の力強いリーダーシップは、混乱を回避させている」(電気製品輸入販売)◆「感染拡大が目に見えてから、ドラスティックな対応を矢継ぎ早に出しており、スピードと本気度を感じる」(建設業)◆「オーストラリアは連邦・州政府とも首相のリーダーシップの下で次々に強制力を持たせた対策が迅速に打ち出されていると思われる。日本政府には是非とも見習っていただきたいと日々感じている」(製造業)◆「その時点で把握できた情報で思い切った対応を打ち出している。対応策を国民にわかりやすく伝える努力を行っている」(銀行)◆「首相自らきちんと説明し、メッセージも明確。支援策も迅速だと感じる」(販売・サービス業)◆「給与補助策を高く評価したい。我々のような需要が蒸発してしまった業界には、本当に助かる施策だ。ありがとう、オーストラリア政府!」(観光)◆「ロックダウンに関してはオーストラリアよりNZの方が踏み込んで実施している。短期間に収束させるにはNZ式のほうが効果があると思う」(食品)――など。

一方で、◆「厳しい規制を他国に先駆けて実施することにとらわれているように感じる。規制による影響に対する準備や対応が不足している」(輸入卸売り業)◆「市民に対する施策は評価できるが、クルーズ船の対策が全くなっていない。ダイヤモンド・プリンセス号の事件が発生してからも、クルーズ船の運航を制限せず、ルビー・プリンセス号の『事件』を招いたことは、もっと報道され、批判されるべきだと思う」(鉱業)――などという批判的意見もあった。

■「日本は見習うべき」

現地政府や日本政府への要望としては、◆「雇用主保護のための金銭的支援は不要。解雇に関する労働法上の制約を撤廃し、シンガポールのように会社都合にて1カ月通知で解雇できるようにすべき」(建設)◆「日本政府にはもっと危機感とスピード感をもって臨んでもらいたい」(農林業)◆「日本政府はオーストラリアやNZ政府を見習うべき。中国に忖度(そんたく)して中国人の訪日をずるずると延ばして感染者を増やし、都市部でも悠長な要請どまりになっている」(サービス)――など、日本の対応が迅速でないことや対応不足を指摘する意見が目立った。

◇<アンケートの回答者の全ての意見や集計データは、個人情報を伏せた上で、回答に御協力いただいた方々全員に送付する予定です>


関連国・地域: オーストラリアニュージーランド日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務社会・事件

その他記事

すべての文頭を開く

テイクオフ:知人がけがで入院し、公…(06/03)

豪ヴァージン入札、候補2社が決定(06/03)

西シドニー空港鉄道、恩恵少ない=地場大学(06/03)

小売・飲食店、交通規制で客足伸び悩む?(06/03)

小売業界、「計画的破綻」相次ぐ可能性も(06/03)

ビシニティーが巨額増資へ、小売客激減で(06/03)

スキンケアのDr Roebuck’s、コロナで破綻(06/03)

豪住宅価格0.4%減、さらに下落の可能性も(06/03)

〔オセアニアン事件簿〕QLD州境閉鎖は不合理!企業と個人が提訴(06/03)

すべての文頭を開く

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。

の記事は有料サービスご契約者様限定記事です。契約すると続きをお読みいただけます。契約されている方は、画面右側にある各種ログインからログインください。
無料トライアルはこちら
購読申し込みはこちら

NNAからのご案内

出版物

SNSアカウント

各種ログイン