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ADB、アジア成長率予測を下方修正

アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)は25日、「アジア経済見通し(ADO)」の改訂版で、アジア太平洋地域の2019年国内総生産(GDP)成長率予想を5.4%に下方修正したと発表した。今年4月と7月時点では5.7%と予測していた。米中貿易摩擦の悪化がもたらすアジアの貿易・投資の減速によって、成長に陰りが見えているとADBでは分析。一方、ベトナムなど貿易摩擦によって中国からの生産移管が進む国はGDPを押し上げる効果があるとの見方も示す。

澤田康幸ADBチーフエコノミストは今回の下方修正の理由について、米中貿易摩擦のエスカレート、日米欧の先進国の景気減速、東アジアが製造の中心となっている半導体などハイテク電子製品の需要減が大きく響いたことを挙げた。

対象主要国で19年の成長率予測の下げ幅が最大だったのは反政府デモによる観光収入減などを見込む香港で、4月発表の2.5%から今回は0.3%へと落ち込んだ。貿易依存度が高いシンガポールも2.6%から0.7%へ、消費低迷が続くインドは7.2%から6.5%へと大幅な下方修正を余儀なくされた。澤田氏はインドの下方修正について、「国内要因であり、貿易摩擦は影響していない」とNNAに対してコメント。政府が今月20日に打ち出した法人税引き下げなどによって、景気は上向くとの見方を示した。

■内需強い中国、貿易摩擦の影響薄い

中国の成長率予測は6.3%から6.2%へと下げ幅が小さい。東アジア・東南アジア主要国で最も高い成長率を見込むベトナムも6.8%の見通しを維持した。

澤田氏は、「中国の成長の源泉は内需であり、貿易摩擦がGDPを極端に押し下げる要因にはならない」と語った。貿易摩擦がさらにエスカレートした最悪シナリオのGDP押し下げ効果は今後2~3年で中国が1.25%、世界全体で0.28%。

■ベトナム、最悪シナリオでも成長

中国の今年上半期(1~6月)の対米輸出額は前年同期比12.4%減。一方、ベトナムの対米輸出額は33.4%増だ。中国からの生産移管が見込まれるアジア新興国では貿易摩擦の最悪シナリオでも成長が見込まれる。最も恩恵を受けるベトナムは今後2~3年でGDPを2.31%押し上げる効果があるという。

20年の成長率は南アジア各国がけん引し、5.5%とやや持ち直す見込み。

ADOの対象となるアジア太平洋地域は計45カ国。先進国である日本・オーストラリア・ニュージーランドは含まれていない。

「貿易摩擦の最悪シナリオでも中国のGDP押し下げ効果は年0.4%程度」と話す澤田康幸ADBチーフエコノミスト=25日、東京(NNA撮影)

「貿易摩擦の最悪シナリオでも中国のGDP押し下げ効果は年0.4%程度」と話す澤田康幸ADBチーフエコノミスト=25日、東京(NNA撮影)


関連国・地域: 中国香港台湾韓国タイベトナムマレーシアシンガポールインドネシアフィリピンインド日本
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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