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【アジア業界地図】 航空産業編・番外編

中間所得層の増加で需要が飛躍的に拡大

国際航空運送協会(IATA)によると、2017年の国際線と各国・地域の国内線を合わせた世界の航空旅客数は、前年比7%増の延べ41億人で、過去初めて40億人を突破した。うち、アジア太平洋地域が15億人と全体の36%を占め、地域別で最多だった。

国際線の路線別で旅客数が最も多かったのは香港―台北の540万人。2位以下もジャカルタ―シンガポール、バンコク―香港、クアラルンプール―シンガポール、香港―ソウルと続き、アジア域内を結ぶ路線が世界の航空需要をけん引している(図参照)。

■成長に影落とす操縦士不足

世界の航空業界では、アジアを筆頭とした市場の急成長を背景に、操縦士不足が深刻化している。航空機世界大手の米ボーイングは、向こう20年で新たに79万人の操縦士が必要になると予想している。

オーストラリアのシンクタンク、アジア太平洋航空研究所(CAPA)によると、インドの現在の操縦士の数は7,900人超。同国では毎月9機前後の飛行機が新規投入されており、向こう10年間に1万7,000人の操縦士を追加する必要がある。同国の格安航空会社(LCC)大手インディゴは、2月に欠航が相次いだ。また、台湾の中華航空では、操縦士による1週間にわたるストで214便が欠航した。いずれも操縦士不足による過重労働が背景にあり、アジアの航空産業の足かせになる可能性がある。

LCC台湾虎航(タイガーエア台湾)は昨年10月に台湾と佐賀県を結ぶ定期便を就航するなど、相次いで新路線を開設している(同社提供)

LCC台湾虎航(タイガーエア台湾)は昨年10月に台湾と佐賀県を結ぶ定期便を就航するなど、相次いで新路線を開設している(同社提供)

出所:アジア太平洋航空研究所

出所:アジア太平洋航空研究所

■存在感高まるLCC

アジア太平洋地域では、LCCの存在感が急速に高まっている。CAPAによると、航空座席数に占めるLCCの割合は08年に14%だったが、18年には2倍以上の29%まで拡大した。

18年はインド、インドネシア、マレーシア、フィリピン、韓国、タイ、ベトナムの7カ国が国内線の供給座席数に占めるLCCの割合が50%を超えた。マレーシアは国際線でも50%を超え、インドネシアも40%に達した。

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【コラム】日中間をとにかく安く移動したい!

日本貿易振興機構(ジェトロ)上海事務所対日投資部部長 伊藤 道大 氏

上海は福岡の延長線にある都市─。上海に赴任してから、よく使うようになった言葉である。最短の距離にある日本の九州からは飛行機で片道1時間30分前後という地の利を生かして、月の半分を日本、また半分を上海で過ごすという日中ビジネスパーソンも多いことだろう。

小生もそんなに頻度は多くないが、上海在住になってから日中間の移動の回数が増えた。短い移動時間とはいえ、回数も増えてくると気になるのは航空券の価格の高さ。思い返せば中国通いが始まった二十数年前は東京と上海の間は片道2,500人民元(約4万1,000円)以上していた。それが格安航空会社(LCC)の普及などで、最安値で片道99人民元という航空券も出てきた。それだけ価格破壊が進んだ業界ではあるが、うまく需要と供給の隙間を潜り抜けて航空券を手に入れないと今でもお得感はあまりない。そこで、いくつかの手法を紹介したい。

■中国系航空会社は日本発券が狙い目

中国系航空会社の日本路線は訪日インバウンド客でどこも盛況である。搭乗してみると乗客の9割は中国人というパターンが多い。一方で航空会社の日本支店は日本人向けの集客営業に苦労しているケースがほとんどである。そこで、中国式の「損して得とれ」「シェアを押さえる」の法則が生まれるので、日本発券のキャンペーン運賃を連発している。この2年、小生が愛用していた某中国国営航空会社の日本各地⇔上海の回数券は5往復できて、1年間有効で、価格はなんと8,000人民元相当。片道800人民元とLCC並みの値段であった。こういった航空券は航空会社のホームページの片隅にひっそりと掲載されるので、まめにチェックしておくといい。

■その時のご時世に沿った航空券の購入

2017年ごろは中国と韓国の関係が冷え込み、中韓間の航空券が需要減により激安価格になった。こういった動きは巧みにキャッチしておくと、市場価格に目がいくようになる。直行便に比べれば時間がかかるが、ソウルや釜山経由で日本と行き来するのも気分転換できるし、韓国の空港で家族へのお土産も買えるので、一石二鳥。

出所:日中間では安く楽しく移動できる路線が増えている(伊藤氏提供)

出所:日中間では安く楽しく移動できる路線が増えている(伊藤氏提供)

■羽田深夜枠の活用

今一番ホットな路線が実は上海浦東⇔羽田ではないだろうか。特に週末、金曜日深夜に上海を出発して土曜の早朝に羽田に着く便は若い中国人旅行者に大人気である。

週末を東京で過ごして、日曜深夜(月曜早朝)に上海に帰ってくるパターン、意外と駐在員にとっても便利な路線である。小生も日本で用事があるときは時間も有効に使え、価格も安いこの路線を積極的に使うようにしている。深夜便なので、機内でも寝れるし、羽田と浦東の空港アクセスも悪くない。

いくつかの事例を出してみたが、安く楽しく移動できる方法は無限大だ。

※特集「アジア業界地図」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2019年4月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: 中国日本
関連業種: 運輸

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