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【18年の10大ニュース】「痛み」乗り越え再び成長軌道に

2018年のインド経済は、高額紙幣の刷新や物品・サービス税(GST)の導入など、「痛みを伴う改革」を乗り越え、再び成長軌道を描き始めた。18/19年度の国内総生産(GDP)の成長率は7%を超えるペースで推移。ルピー安や南部を襲った洪水などのマイナス材料もあったが、力強い成長を維持している。GST導入による混乱は軽減されつつあり、16年12月に施行された破産倒産法により経営破綻した企業の買収が前進するなど、ビジネス環境に対する世界的評価も高まる。個人消費も堅調で、5月には米小売り大手ウォルマートの電子商取引(EC)市場参入という象徴的な出来事もあった。来年の下院総選挙では与党インド人民党(BJP)の政権維持に隙はないようにも見えたが、11~12月に投票が行われた5州の州議会選挙では全州でBJPが敗北。成長を実感できない層が不満を抱えている状況が浮き彫りになっており、総選挙の行方が今後のインドの方向性を大きく左右しそうだ。