【18年の10大ニュース】税制改革元年、消費拡大にブレーキ
2018年のフィリピンは、20年ぶりの税制改正となる税制改革法(TRAIN)が年初に施行され、ドゥテルテ政権3年目にして、歳入の拡大とインフラ支出の拡大という経済財政政策が本格的に動き出した1年だった。内需拡大による輸入増で経常収支が悪化し、通貨ペソ安が進展。そこにTRAINによる増税や原油高で物価が高騰し、消費市場の拡大に水を差した。経済成長率は前年の6%台後半から同前半に減速する見込み。議会で審議された税制改革第2弾の法案には、企業優遇の縮小が盛り込まれ、外資系企業による投資の先行きが懸念された。ドゥテルテ政権による大規模インフラ整備で、日本は昨年に表明した1兆円の支援を着々と実行。中国は、11月に習近平国家主席がマニラを訪問し、南シナ海の石油・ガスの共同開発を含め、インフラ整備で長期的な協力関係の端緒を開いた。年央には、バンサモロ基本法(BOL)が成立し、政府が1997年から続けてきたイスラム系最大反政府勢力との和平交渉が大きく前進した。