フィリピンの貿易産業省は9日、マニラで開催中の東南アジア諸国連合(ASEAN)経済閣僚会議でASEANとカナダが、自由貿易協定(FTA)の妥結に向け、合同で実現可能性調査を実施することに合意したと明らかにした。妥結すれば、日中韓、インド、オーストラリア、ニュージーランドに次ぐ7カ国目となる。2015年に交渉を開始したフィリピンとカナダの二国間FTAについては保留する。地元各紙が伝えた。
ロドルフォ貿易産業次官によると、ASEANとカナダは合同で実施する実現可能性調査の条件について合意した。東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA、本部ジャカルタ)が、実現可能性について各国ごとに調査。調査完了後に閣僚が予備的な協議を始めるという。
ASEANとカナダの2016年の貿易額は21億6,000万カナダドル(約1,915億円)で、カナダにとって世界6番目の貿易相手先という。フィリピンとカナダとの二国間FTAは、15年5月にアキノ前大統領がカナダを訪問した際に交渉開始に合意したが、その後、両国の政権が交代し、交渉は進んでいなかった。
■サービス貿易協定、11月までに締結へ
貿易産業省によれば、ASEAN経済閣僚会議では、サービス自由化の新たな枠組みである、ASEANサービス貿易協定(ATISA)について、11月にマニラで開催される予定のASEAN首脳会議までに締結する目標を確認した。
地元紙マニラタイムズによると、ロドルフォ貿易産業次官は、ATISAにより、会計、エンジニアリング、建築設計、コンピューター関連やその他ビジネス・サービスといった技能労働者が、域内で自由に移動できるようになると説明した。
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