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【アジアの穴場】 発酵米麺店(タイ)  アイデアがヒット、動画で有名に

カノムチン(発酵米麺)にカレーソースをかける

カノムチン(発酵米麺)にカレーソースをかける

椀状のプラスチック容器に盛られた新鮮な野菜が環状の「ウオーターコンベア」をぐるぐると回る様はまるで回転ずしのよう。その店の動画はほんの数日で拡散し、タイの首都バンコク郊外にあったカノムチン(発酵米麺)店をあっという間に有名にした。

店の名は「カノムチン ナム・ウォン」。バンコクの東郊、「バンコクの肺」とも呼ばれる緑豊かなバーンクラチャオに位置する。カノムチンは伝統的なライスヌードルの一種で、麺にスパイスのきいたカレー、生野菜を合わせて食べる。タイのどこにでもあるカノムチン店だった。

だが、店主のジッラデートさんがある仕掛けを取り入れたことで状況は一変した。雨どいを環状につなげて水を入れ、水槽用のポンプで水流を作り出したのだ。野菜が店内を周回するウオーターコンベアの誕生だ。

ウオーターコンベアを流れる野菜

ウオーターコンベアを流れる野菜

ジッラデートさんはかねて日本料理店や韓国料理店のように独自色を出せないものかと考えていた。それでウオーターコンベアを考案したわけだが、最初からうまくいったわけではない。野菜の鮮度を保つために氷を容器に入れたが野菜をぬらしてしまい失敗、自動車部品で使われているモーターで水流を生み出そうとしてしくじるなど、試行錯誤を重ねて現在の形に落ち着いた。

開発から2年後、地方のイベントでこのウオーターコンベアを導入したカノムチン店を出店し、好評を得た。「これはいける」と手応えを感じたジッラデートさんがバーンクラチャオで店を出したのは今から数カ月前のことだ。

斬新なアイデアなどが話題になり、客が写真や動画をネットにアップ。それを見たテレビ番組が取材に訪れ、さらに多くの客が来るようになった。もともと定員12人の店は手狭となり、最大25人が入れる場所に移転したのはこの6月だ。

「そうだね、平日だと1日200食、土日は500食ぐらい出ているよ。バーンクラチャオにはタイ人や外国人の観光客が自転車でよく来るからね」とジッラデートさん。彼のカノムチンは魚から作ったソースに豊かな風味があるのが特徴という。辛くないから子どもでも食べられる。

主婦のダラニーさん(32)は常連客の一人だ。家から近いためよくランチを食べに来る。ウオーターコンベアのアイデアが注目されているが、それよりも「味がいいのよ」。スパイシーなカレーソース「ナムヤー」にサクサクとしたカブの漬物をつけて食べるのが最高だそう。

会社経営のパットさん(47)は車で走っている時にたまたま看板を見かけて訪れた。「カノムチンにぴったりのアイデア」とお気に入りだ。

ジッラデートさんは今、フランチャイズ展開の準備をしている。地方の観光地や市中心部などからすでに10件の加盟申請があるという。もちろんコンセプトやロゴ、レシピ、ウオーターコンベアなどの機材は全て提供する。料理の価格も店の場所を問わず一律30バーツ(約100円)とする予定だ。

鉄は熱いうちに打て――。注目を集めている今のうちにどんどん展開していくという。(文・写真 シンチャイ・プラサーンスックラープ)

【アクセス】

バーンクラチャオのレンタサイクル店

バーンクラチャオのレンタサイクル店

バンコクの地下鉄のクイーン・シリキット国際会議場駅で下車。4番出口でタクシーに乗り「クロントイ・ポート」、または「ワット・クロントイ・ノーク」へ行く。降りたら渡し船に乗ってバーンクラチャオ着(10~20バーツ)。レンタル自転車は1時間50バーツから。

バーンクラチャオは緑あふれる環境としては首都から最も近く、「バンコクの肺」とも呼ばれる。サイクリングに最適な土地として知られ、タイ人や外国人観光客が多く訪れる。シーナコーンクアンカン公園・植物園は特に有名だ。

シーナコーンクアンカン公園・植物園で写真撮影を楽しむ女性

シーナコーンクアンカン公園・植物園で写真撮影を楽しむ女性

※特集「アジアの穴場」は、アジア経済を観るNNAの新媒体「NNAカンパサール」2017年8月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: タイ日本
関連業種: 食品・飲料観光社会・事件

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