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【アジアで会う】菊地恵理子さん タイガーモブ代表 第141回 真のグローバル化の土壌育む(日本)

きくち・えりこ 三重県四日市市出身。2012年、関西学院大学総合政策学部を卒業。在学中に中国・蘇州大学に留学し、上海でインターンを経験。新卒採用支援などを行うジョブウェブ(東京)に入社し、採用コンサルタントとして営業を担当した。2年目に国際事業開発部を立ち上げ、海外インターンシップ事業を手掛ける。16年に独立して「タイガーモブ」を設立、海外インターンシップの仲介やウェブサイト運営を行う。幼少期から和太鼓やドラムに親しむ音楽好き。

さまざまな職業や国籍の人が集い、心地よい喧騒(けんそう)に包まれる。毎日いろんな刺激を受ける都心のコワーキングスペースが仕事場だ。タイガーモブの登記から、きょう3月7日で1年を迎えた。25カ国の案件を取り扱い、前職から数えると900人以上を世界に送り出してきた。

グローバル化が叫ばれて久しいが、日本で多くの外国人を受け入れる企業はまだ少ない。この事業を始めたのは、海外生活の経験を持つ日本人を増やし、国内の真のグローバル化に向けての土壌を育むためだ。

「みんなが主体的に育っていくのがうれしい」。自社のウェブサイトには、インターンの決意や体験談を書いたブログが投稿され、成長が手に取るようにわかる。参加者同士でコミュニケーションをとり、交流の輪が広がっていくのが何よりの喜びだという。「普通だったら出会わないはずの人が出会っているのが面白い」と充実の色をにじませる。

■すべての始まりはバックパッカー

大学卒業を前に韓国、中国、東南アジアを巡る旅に出た。相棒は、紫とオレンジのバックパック。ただ立っているだけで国が発展するエネルギーを肌で感じたベトナム、幸せそうな人を見ているだけで泣けてきたラオス――。3カ月で8カ国を訪れ、「新興国の熱気や世界中の人の価値観に触れたからこそ、今の自分がある」と振り返る。

自社で取り扱う案件がアジアや中南米、アフリカの国が中心なのは、「インターンには伸びていく市場に身を置いてほしい」と考えるから。現在、受け入れ先の企業数は150社以上。「バックパッカー営業」と称するスタイルで、各地を飛び回って取引先を増やしてきた。起業直後の昨年5月は、タイとベトナム、カンボジア、マレーシアの4カ国で100社以上を回った。現地で情報を収集して、飛び込みで訪問した企業もある。今ではインターンの評判が口コミで広がり、企業側からオファーを受けることが多くなってきた。

「右も左もわからなくても、とにかくやってみると楽しいことの連続」。物怖じせず、前向きな性格がタイガーモブの原動力だ。

■迷ってる暇なんかない

「仕事は自分で取りに行くもの」。口癖のようにインターンに伝えているのは、中国・上海の5つ星ホテルのインターンシップで学んだ教訓だ。初日にも関わらず、上司から指示はなく待つだけの数時間を過ごした。「どんどん仕事がもらえる日本とは違う」と積極的に仕事を求めた。通訳やVIPの接客を任され、クレーム対応にもやりがいを感じるようになったという。タイガーモブのユーザーには経営者として、海外インターンの先輩として、時には友人のように寄り添って助言を送る。

現在の業務は、日本から海外へのインターン派遣がメインだが、2020年の東京五輪・パラリンピックを見据えて、「海外から日本」「海外から海外」の事業も視野に入れている。モットーは「No time for hesitation!(迷ってる暇なんかない)」。トラのように勢いよく、未来に向かって突き進む。(東京編集部・山岸佳奈)


関連国・地域: 日本
関連業種: 社会・事件

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