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【20年の10大ニュース】コロナ禍と政局混迷の1年

マレーシアでは、マハティール首相(当時)が2月に辞任し、政局が混迷した。同氏が会長を務めていたマレーシア統一プリブミ党(PPBM)のムヒディン総裁が、マハティール氏と袂を分かつ形で野党と組み、3月に選挙を経ず新首相に就任した。連邦議会下院では与野党が拮抗(きっこう)。ムヒディン政権の国政運営は難航すると見られたが、新型コロナウイルス感染症が味方した。感染の拡大防止対策という大義名分の下、7~8月の会期中に景気刺激策パッケージの財源などを盛り込んだ法案、11~12月の会期では2021年度国家予算案が可決。解散総選挙はアフターコロナに持ち越される見込みだ。政府は、新型コロナ感染拡大を抑え込むための活動制限令を3月18日から2週間、全土に施行。同令は複数の延長を経た後、「条件付き」「回復期」と段階的に緩和されつつ、年内いっぱい敷かれた。活動制限令による経済的打撃を緩和するため、政府は景気刺激策を次々と打ち出し、規模は前政権が2月に発表した200億リンギ(約5,120億円)から3,050億リンギに膨らみ、財政赤字が拡大した。