マニラ首都圏東部などで水道事業を手掛けるアヤラ系マニラ・ウオーター(MWCI)は17日、ミャンマー最大の都市ヤンゴン市の水道環境改善に関し、三菱商事とヤンゴン市開発委員会(YCDC)との間で覚書(MOU)を締結したと発表した。マニラ・ウオーターは海外事業を積極的に展開する方針を掲げており、ベトナム、インドネシアに続く事業展開となる。
フィリピン証券取引所(PSE)に提出した報告書によると、マニラ・ウオーターは、三菱商事と共に、ヤンゴン市で「無収水率」の低減に向けて協業する。無収水率は造水量に対して漏水・盗水や公共用途への無償提供などで売り上げに結びつかない水量の割合を示す。
三菱商事の担当者は同日、NNAに対し、まずは約3,000世帯を対象とした事前調査に着手すると説明。同調査を終えてから1~2年程度の期間に、配管の修理や老朽化した水道メーターの交換、水道料金に関する啓発活動などを行うと述べた。
ヤンゴン市内の無収水率は65%で、日本の3~5%に比べて高水準にあるとされる。一方、首都圏東部を中心とするマニラ・ウオーターの事業地域は、無収水率が10%前後とされており、三菱商事はマニラ・ウオーターの運営ノウハウが役に立つとみている。
ヤンゴン市開発委員会は、水道や不動産、事業免許関連などを統括する政府機関。ミャンマーの水道事業は現在、同国政府の主導となっているが、三菱商事は今回の取り組みをきっかけに、将来的には同国で水道事業を展開することを視野に入れているとした。同社は現在、マニラ・ウオーターに1.2%を出資している。
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