環境保護部は5日、国内重点地域を対象とした2015年までの大気汚染対策に計3,500億元(約4兆6,500億円)を投資する計画を発表した。中国が総合的な大気汚染対策を打ち出すのは初めて。上海証券報など6日付中国各紙が伝えた。
対象地域は北京・天津・河北一帯や長江デルタ、珠江デルタなど13地域に区分けし、19省・自治区・直轄市の117都市(地級以上)が含まれる。対象面積は132万5,600平方キロメートル。
具体的な対策としては二酸化硫黄(SO2)排出の抑制、油・ガス回収、空気中に舞うほこりの排出抑制、国の排ガス基準を満さない車輛「黄標車」の淘汰(とうた)など8項目を重点的に取り組む。石油化学やセメント、鉄鋼など高汚染産業の生産能力を抑え、立ち遅れた設備の淘汰を進めるほか、石炭消費量の抑制も図る。対象都市で新たな建設プロジェクトを始める場合は、環境基準を満たすことを厳しく求めるほか、汚染排出量が増える分をその他のプロジェクトで汚染排出を減らして相殺する必要がある。
計画では各種汚染排出物の削減目標を設定し、15年までにはSO2を10年比で10%、二酸化窒素(NO2)を7%、「PM10」(粒径10マイクロメートル以下の粒子)を10%、「PM2.5」の年平均濃度を5%それぞれ減らす。このうちPM2.5は大気汚染のひどい北京・天津・河北一帯、長江デルタ、珠江デルタの3地域を6%削減、中でも北京市を15%削減と定めた。
中国では大気汚染が進んでおり、PM2.5を例に挙げると全国の7割以上、今回対象に選ばれた地域の8割以上で基準値を上回っている。<全国>
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。