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豪政府がトヨタなど3社に各10億$補助金

豪政府がトヨタ・オーストラリア(豪トヨタ)とフォード・オーストラリア(豪フォード)、ゼネラル・モーターズ(GM)系ホールデンの自動車メーカー3社に対し、過去10年で各社に約10億豪ドル(約810億円)の補助金を与えていたことが、豪経済紙オーストラリアン・ファイナンシャル・レビュー(AFR)の調査で分かった。膨大な額の補助金が、外資保有の自動車メーカーに充てられているとして、問題視する見方も出ている。9月28日付AFRが報じた。

連邦政府は豪州での自動車生産を維持するために、向こう数年でさらなる補助金支給を行う計画だ。2011~20年にかけて行われる新支援策には54億豪ドルが投じられる見通し。自動車産業では工場閉鎖と雇用削減が繰り返し懸念されている。ただ、補助金が支給されても自動車メーカーの収益に回復の兆しはみえていない。自動車メーカー3社は補助金を研究開発(R&D)と施設への投資に充てたとしている。

■納税はトヨタのみ

各自動車メーカーの決算報告書では、豪フォードが最も詳しく補助金の詳細を記載しているようだ。これによると、02年1月~11年12月の間に11億豪ドルの補助金を受給した。豪フォードは昨年1億豪ドルの補助金を受け取りながらも、1億2,400万豪ドルの損失を計上。6年間連続で納税していない。過去5年の売上高は25億~33億豪ドルだ。豪フォードの広報は、「わが社は過去10年にR&Dと施設に32億豪ドルの投資を行ってきた。これは政府の補助金の3倍に上る」と説明した。

ホールデンは昨年約9,000万豪ドルの補助金を受け取っており、過去4年も同様の支給額だったとみられている。それより前の6年間は決算報告の中で「その他収入」にまとめられており、1億2,500万~3億2,300万豪ドルとなっているが具体的な支給額は不明。過去6年で納税したのは2010年の1回のみだ。

豪トヨタは決算報告で補助金支給額の具体的な数字を示さなかったという。「その他収入」の項目の合算は過去10年で11億豪ドルに上る。豪トヨタの広報は同項目の全額が補助金であるというのは誇張しすぎと説明。同項目にはリースや賃貸などの収入も含まれるとした。3社の中では豪トヨタのみが、過去4年で適切な法人税を支払ったもよう。

11年の3社の総売上高に占める豪トヨタの割合は55%。ただ、売上げ収益の7割は部品や原料調達で海外へ支払われる。

シンクタンクの独立研究所(CIS)のコーワン研究員は、3社が過去10年に計30億豪ドルの補助金を受け取ったという試算は概ね正しいと説明。産業を崩壊させないためにも、労働者支援は政治的にも社会的にも必要との見方を示した。

■国際関係悪化も?

これらの情報はAFRの独自試算によるものだが、一方、産業省が先に誤ってAFRに自動車産業への補助金詳細が記載されている内部機密文書を送付してしまったことも発覚。公開阻止に全力を挙げている。産業省は、国際関係の悪化と貿易上の秘密が公開されるとして、AFRに公開の阻止を求める法的な申し出をニューサウスウェールズ州の最高裁判所に提出した。


関連国・地域: オーストラリア日本米国
関連業種: 自動車・二輪車マクロ・統計・その他経済

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