台湾の市場調査会社、集邦科技(トレンドフォース)は22日、世界のファウンドリー(半導体の受託製造)の2023年の生産能力の伸び率が8%にとどまるとの見通しを示した。新型コロナウイルスやウクライナ問題などの影響で半導体製造装置の納期が長期化し、ファウンドリー各社の増産計画に遅れが生じるためと指摘している。
半導体製造装置の納期の長期化で影響を受けるとみられるのは台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)、力晶積成電子製造(力積電、PSMC)、TSMC傘下の世界先進積体電路(バンガード・インターナショナル・セミコンダクター)など台湾勢を含む世界のファウンドリー各社。納期の長期化で各社の増産計画は2~9カ月の遅れが出ると見込んでいる。
集邦科技によると、コロナ禍前の半導体製造装置の納期は3~6カ月だったが、コロナの感染が広がった20年以降は12~18カ月と長期化。今年に入ってからはウクライナ問題や物流の停滞などの影響で、18~30カ月まで延びている。
集邦科技は、ウクライナ問題やインフレが引き起こした原料の調達難やコロナ禍に伴う人手不足も、ファウンドリー各社の23年以降の増産計画に影響を及ぼすと指摘。一方、インフレでコンシューマー製品の需要が縮小する中、増産計画が遅延していることで、23年に供給が過剰になるとの懸念が一部打ち消されたとの見方を示した。
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