インキ世界大手のDICは17日、インド子会社のアイディール・ケミ・プラストが、西部マハラシュトラ州のスパ工業団地で塗料用樹脂の新工場の建設を開始したと発表した。インドでの塗料用樹脂の需要拡大に対応し、生産能力を強化する。
2021年に新工場の土地を取得し、22年4月から建設を開始した。稼働開始は23年7月を予定する。敷地面積は4万8,500平方メートル。新工場の設置によりアイディールの塗料用樹脂工場は計2カ所になり、生産能力は現在の3倍に拡大する。投資額は非公表。
生産するのは、自動車補修用やコイルコーティング用の樹脂。タイに置くアジア太平洋地域向けのポリマー技術センターで開発した環境対応製品やグローバル展開製品は、これまで主に東南アジアから輸入してきたが、インドでの生産が可能になる。
DICは19年4月にアイディールを買収した。同社の塗料用樹脂の生産設備は買収以降、フル稼働を続けていることから、早期に生産能力を増強する必要があると判断した。
DICによると、インドの塗料用樹脂市場は年率9%を超える高成長が見込める。生産品目を増やして旺盛な需要を取り込むことで、塗料用樹脂事業を拡大につなげたい考えだ。新工場の完成から数年で、売り上げを2倍に増やすことを目指す。
インドに置く販売子会社のDICサウス・アジアを通じ、中東やアフリカ、インド近隣諸国への輸出拠点としても活用する予定。
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