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【アジア・ユニークビジネス列伝】「古着をポイントと交換」「バイクでコーヒー宅配」

それを売るのか、そんなサービスがあってもいいのか。アジアは日本では思いもよらない商品やサービスに出会う。斬新で、ニッチで、予想外。「その手があったか!」と思わずうなってしまう、現地ならではのユニークなビジネスを紹介する。

【シンガポール】古着をポイントと交換、不要衣料の活用に弾み

ザ・ファッション・パルピットの店舗。会員からスワップ(物々交換)で集めた品物を展示販売する=シンガポール湾岸部(NNA撮影)

ザ・ファッション・パルピットの店舗。会員からスワップ(物々交換)で集めた品物を展示販売する=シンガポール湾岸部(NNA撮影)

シンガポールの衣料品スワップ(物々交換)サービス会社、ザ・ファッション・パルピットが事業を軌道に乗せている。創業3年で黒字化を達成。衣料リサイクル率が低い同国で、古着の有効活用に取り組む。

サービスは、会員が不用な衣料品を店舗に持ち込むと、商品の品質やブランドなどに応じてポイントを付与する仕組み。品物に破損などがなく、再販売できる状態であることが条件だ。

店舗は、持ち込まれた衣料品やバッグ、アクセサリーなど3,000~4,000点を陳列。商品には必要ポイント数と価格を表示し、会員は獲得したポイントを使って品物を入手できる仕組みだ。非会員や持ち込みのない人でも、通常の店のように表示価格で購入することが可能。

会員登録料は、1回限りのスワップが35Sドル(約2,900円)、2カ月回数無制限が99Sドル、同6カ月で399Sドルとなっている。

2018年のサービス開始当初は会員数30~40人だったが、昨年末には約2,000人まで増えた。会員の99%が女性で、年齢層は10~60代まで幅広い。創業者のレイ・パディット最高経営責任者(CEO)は「過去3年で、衣料品廃棄物の削減を意識するシンガポールの消費者が増えている」と手応えを語る。

新型コロナ禍で在宅時間が増えると家の荷物整理・処分をする人が多くなり、不用品を持ち込む人が増えた。たまった衣類を見て、廃棄物削減に関心を持つ人も多くなってきたという。非接触型ショッピングの需要の高まりも受け、今年4月からは実店舗と同様のオンラインサービスも提供する予定だ。

シンガポール政府の統計では、国内の衣料品・革製品のリサイクル率は4%にとどまる(20年)。欧州の約30%、日本の15%と比べると非常に低い。

「衣料品はいらなくなったら捨てる消耗品というイメージを持つ人が依然として多い。アジア地域は、欧米に比べると衣料品のリサイクル、リユースに対する意識はまだ低い。足元では、収益拡大の追及よりも衣料品廃棄物の削減に向け、消費者の環境意識を高めることに注力したい。将来的には海外進出も視野に入れている」(パディットCEO)

(NNAシンガポール 清水美雪)

【動画リンク】ザ・ファッション・パルピットのサービス紹介動画(ユーチューブ公式チャネルより)

【動画リンク】ザ・ファッション・パルピットのサービス紹介動画(ユーチューブ公式チャネルより)

https://bit.ly/3JubNki

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【マレーシア】入れたてのコーヒー、電動バイクでお届け

ニシン・グループがお披露目したコーヒー宅配用の電動バイク=2021年12月、クアラルンプール(NNA撮影)

ニシン・グループがお披露目したコーヒー宅配用の電動バイク=2021年12月、クアラルンプール(NNA撮影)

ステンレス調理器具を主力とするマレーシアのニシン・グループ(旧ニシン・リソーシズ)は今年1月、傘下のブラックバイソン・トゥーゴー(BlackBixon2Go)がコーヒーの宅配サービスを開始した。カプセル式コーヒーマシンを荷台に載せた電動バイクを活用するもので、首都クアラルンプールを皮切りに展開していく。

提供するコーヒーは「オリジナル」「チョコカカオ」のほか、ガラナ(つる性植物)の成分を含んだ「エナジーコーヒー」、アサイー(ヤシ科)の成分を含んだ「ニュートリショナルコーヒー」、中鎖脂肪酸(MCT)の成分を含んだ「Vクリーマー」の計5種類。いずれもハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)認証を取得している。

宅配サービスでの販売価格は、オリジナルが4.9リンギ(約132円)、ニュートリショナルが5.5リンギ、エナジーが5.9リンギなど。カプセル式コーヒーはスイスの食品大手ネスレの「ネスプレッソ」と競合するが、健康志向で差別化を図ったという。

バイクは自社製だ。ニシン・グループはステンレス調理器具のほか、食品・飲料、電気自動車(EV)、環境関連などの子会社を持つ。バイク部品を海外から輸入し、スランゴール州スリクンバンガンの工場で組み立てる。コーヒーマシンにも電力を供給できるバッテリーを持ち、1回の充電で最大400杯のコーヒーを入れられる。

顧客は専用アプリ「BB2GO」でコーヒーを注文できる。電動バイクには衛星利用測位システム(GPS)が搭載され、リアルタイムで位置確認も可能だ。

ブラックバイソン・トゥーゴーのクー・チーコン社長は、「EVの時代に沿ったビジネスモデルの変革を目指す」と述べた。まずはクアラルンプールに10台を投入し、段階的に全国展開を目指す。初年度は200台を投入する計画だという。

バイクに搭載されたカプセル式コーヒーマシン=21年12月、クアラルンプール(NNA撮影)

バイクに搭載されたカプセル式コーヒーマシン=21年12月、クアラルンプール(NNA撮影)

※特集「アジアユニークビジネス列伝」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2022年2月号<https://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: 日本
関連業種: 繊維小売り・卸売りサービス社会・事件

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