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液化水素運搬船、日本帰還に向け今週豪出港

オーストラリア・ビクトリア(VIC)州ヘースティングス港に21日に到着した世界初の液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」が、水素を積み日本に帰還するため今週出港する予定だ。オーストラリア国内では昨年から水素事業が一気に盛り上がり、大手企業が続々と投資を進めている。一方、液化水素の輸送コストが高額であることから、発電用燃料としてはアンモニア輸送の方が現実的ではないかとの見方もあるようだ。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューなどが伝えた。

「すいそ ふろんてぃあ」は、日本の企業連合が「日豪水素サプライチェーン(HESC)構築実証事業」の実証実験で利用する。神戸港に到着し荷揚げを行うのは2月中旬となる見通し。

新興水素企業シムテック・ハイドロジェン(ScimTek Hydrogen)は、「今回の水素輸送は液化水素の取り扱いについて必要な知識を学ぶことができるもの」と評価した。

国内では、鉄鉱石採掘大手フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)のフォレスト会長が、2030年までに再生可能エネルギーを利用して製造するグリーン水素を1,500万トン生産する目標を掲げている。また石油大手サントスも天然ガスから抽出し二酸化炭素(CO2)を炭素回収・貯留(CCS)技術で貯留するブルー水素の生産に向けた計画を進めている。

HESC事業に参画する日本企業は、◇川崎重工◇電源開発(Jパワー)◇岩谷産業◇丸紅◇住友商事――となっている。

■「アンモニア輸送でコスト低下」

米調査会社S&Pグローバル・プラッツは、今回の水素輸送の重要性を認めた上で、液化水素の長距離輸送には極低温の環境が必要で、液化天然ガス(LNG)と比べるとエネルギー密度が低いことから、水素は燃料として高価になると指摘した。

「すいそ ふろんてぃあ」は、マイナス253度に冷却し液化した水素を積載する。一方水素キャリアであるアンモニアは、水素よりもエネルギー密度が35%高く、液化温度もマイナス33度と比較的高い。

同社は、水素の代わりにアンモニアを輸送すれば輸送コストは低下すると指摘。ただそのためには、輸送元と輸送先にアンモニア製造や分解のための施設が必要になることが問題だとしている。

オーストラリアのフィンケル前主席科学官は、自動車や電車の燃料として水素が利用される場合は、水素のまま輸送するのが合理的だとした上で、「アンモニアの輸送は非常に簡単なため、日本などが石炭火力発電を積極的に置き換えようとしている中で、発電用燃料として輸送するなら、アンモニアとしての輸送はメリットがある」との見方を示した。


関連国・地域: オーストラリア日本
関連業種: 化学運輸天然資源電力・ガス・水道

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