石油資源開発(JAPEX)は11日、ベトナム北部ハイフォン市での液化天然ガス(LNG)基地建設プロジェクトに参入すると発表した。プロジェクトに参画する南部ホーチミン市の天然ガス供給会社の株式を取得した。JAPEXがベトナムで本格的に事業を行うのは初めて。経済成長が続くベトナムでのLNG需要の拡大を見込んでいる。
JAPEXが取得したのは、天然ガスの供給・販売などを手掛ける地場企業ITECOの株式。JAPEXは2020年2月にベトナム政府の承認を得て、21年12月28日に株式取得を完了した。投資額やITECOへの出資比率は現段階では開示していない。
現在は、ITECOがLNGの調達や供給先確保を請け負っており、JAPEXは22年後半の最終投資決定を目指し準備を進めている。
LNG基地はハイフォン市ナムディンブー工業団地に建設予定で、LNGの調達・貯蔵・供給を一貫して行う。25年の稼働を目指して、第1段階では年間最大65万トンのLNGを搬送できる桟橋や、容量5万立方メートルの貯蔵タンクを建設する。20年代後半までに3万立方メートルの貯蔵タンクを増設し、合計貯蔵量を8万立方メートルにする計画だ。
JAPEXの広報担当者はNNAの取材に対し、ベトナム国内のガス田は枯渇傾向にあるため、LNGのインフラ整備の需要が高まっていると説明。「経済成長が見込まれるベトナムは有望な市場だ」と述べた。同プロジェクトについては、北部で最初に立ち上がるLNG基地建設事業になる予定のため着目していたという。
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