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【21年の10大ニュース】医療崩壊寸前から回復

インドネシアは新型コロナウイルス感染の第2波が到来し、感染者や死者が激増した。医療は崩壊寸前の状況に陥り、在留邦人も退避のために続々と帰国した。政府が厳しい活動制限を敷き、ワクチン接種も進んだことで、9月ごろから第2波は収束に向かった。
一方で経済はコロナの影響をそれほど受けなかった。巨額の財政出動に加え、資源価格上昇や主要輸出先の経済回復などの外的要因にも下支えされ、経済成長率は第2四半期(4~6月)にV字回復。感染状況が悪化した第3四半期(7~9月)もプラス成長を維持した。
減税効果で新車需要が持ち直し、2年ぶりに実会場で国際モーターショーが開催された。コロナが生んだ巣ごもり需要は各種サービスのデジタル化促進につながり、関連企業の統合による巨大ユニコーン(企業価値が高い新興企業)も誕生した。電動車産業や脱炭素化に向けた動きも活発化し始めた。
10月には折り返し地点の3年目に突入した第2期ジョコ政権。オミクロン株到来による感染第3波も懸念されるが、年末年始休暇の規制強化でこれを乗り切り、来年の政治経済の安定運営につなげたいところだ。