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アジア太平洋で配膳ロボット ソフトバンク、中国企業と提携で

ソフトバンクロボティクスグループは、飲食店を中心としたサービス業界向けの配膳ロボットをアジア太平洋地域で展開することで、中国のキーンオンロボティクスと戦略的提携を結んだ。シンガポールを皮切りに域内で販売展開していく。飲食業界の人手不足解消に加え、新型コロナウイルスの流行で人同士の接触を回避する動きに対応。拡大する配膳ロボットの需要を取り込みたい考えだ。

ソフトバンクロボティクスとキーンオンが販売展開する配膳ロボット「キーンボット」(キーンオン提供)

ソフトバンクロボティクスとキーンオンが販売展開する配膳ロボット「キーンボット」(キーンオン提供)

ソフトバンクロボティクスとキーンオンは、ソフトバンクグループが今月15~17日にオンラインで開催した法人顧客向けイベント「ソフトバンクワールド2021」で、世界市場を見据えた戦略的提携を締結した。

キーンオンは同時に、成長投資のシリーズDでソフトバンクグループのビジョン・ファンド2などから2億米ドル(約220億円)を調達したと公表していた。今回の販売展開はこうした動きを受けたもので、ソフトバンクロボティクスとキーンオンが21日に発表した。

キーンオンは、サービス業界向けに人工知能(AI)を使った屋内ロボットを開発・製造している。ソフトバンクロボティクスとの提携を通じて販売するのは、飲食店などで料理を運ぶ自律走行型配膳ロボット「キーンボット」だ。

AIを活用した走行ルートの自動判別能力や障害物回避能力、狭い場所での速度制限機能などを持つ。4つのトレーに料理を載せることが可能だ。価格は明らかにしていない。中国では既に市場に投入している。

ソフトバンクロボティクスは、まず同社にとって主要市場であるシンガポールでキーンボットの販売を開始する。今後は日本を含むアジア太平洋地域や欧州、中東、米国でも販売展開していく意向だ。

新型コロナの感染拡大を受けて人同士の接触を回避する動きが広がる中、配膳ロボットが感染対策に寄与できると見込んでいる。サービス業界での人手不足解消にも貢献したい考えだ。

ソフトバンクロボティクスのチーフビジネスオフィサー(CBO)である吉田健一氏は今回の提携について、「キーンオンとの提携を通じ、サービス業界の業務効率化に貢献できる最新ソリューションを提供できる」と述べた。

キーンオンのトニー・リー最高経営責任者(CEO)は、「人件費の上昇に伴い、人間の仕事を代替する手ごろな価格の技術ソリューションを求める需要が高まっている」と指摘。キーンボットは、正確性が求められる繰り返し作業を簡単に遂行できると付け加えた。

■グラブの調理施設も活用

シンガポールでは、既に外食チェーン店などへの納入が決まっている。

現地の大手外食チェーン、トンロック・グループのアンドリュー・チュー社長兼CEOは、「外食を中心とするサービス産業は人手不足に直面している。弊社の店舗では調理室でロボットを導入しているが、顧客と接する場所でロボットを採用するのは今回が初となる」と語った。

同社が展開する飲食店の大半は高級レストランのため、人が担っている仕事の多くをロボットに入れ替える計画はないが、サービス効率の改善にロボットを役立てたいと付け加えた。

シンガポールの配車サービス大手グラブは、西部ブキバトックの共用調理施設「グラブキッチン」でキーンボットを採用する。グラブキッチンは、複数の飲食店に料理宅配向けの調理場を貸し出す施設だ。現在20ブランド以上の飲食店が利用している。

グラブ・シンガポールのマネジングディレクター、イー・ウィータン氏は「キーンボットを活用することで(飲食店の)繰り返し作業の負担を減らせるほか、コロナ禍で人同士の接触を避けることもできる」と述べた。

キーンオンによると、世界全体の配膳ロボット市場に占めるアジア太平洋地域の割合は27%。ソフトバンクロボティクスは、域内で拡大している配膳ロボットの需要を取り込みたい考えだ。

ソフトバンクロボティクスは、世界70カ国・地域以上でヒト型ロボット「ペッパー」や歩行ロボット「NAO」、AI清掃ロボット「Whiz(ウィズ)」、配膳・運搬向けのロボット「Servi(サービィ)」を計3万5,000台以上販売。小売り、観光、医療、金融、教育といった業界で利用されている。

シンガポールでは2019年、アジア拠点としてソフトバンクロボティクスシンガポールを設立。同年に現地で「ウィズ」の提供を開始した。


関連国・地域: 中国シンガポール日本アジア
関連業種: 食品・飲料その他製造IT・通信サービス

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