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電動二輪車の補助金1.5倍に EV政策修正、三輪車も大量調達

インド重工業・公企業省は先週、エコカー普及支援制度「EV生産・普及促進(FAME)インディア」の第2期(FAME2期)の内容を修正し、電動二輪車への補助金を1.5倍に増やした。公営企業が電動三輪車30万台と9大都市向けの電気バスの調達を行うことも追記。FAME2期が終了する来年3月までに、電動車両の導入が大幅に底上げされる可能性が出てきた。特に電動二輪車の販売急増に期待がかかる。【Atul Ranjan】

インドでは近年、電動二輪車の発売が増えている。写真はバジャジ・オートの電動スクーター「チェタック」(PTI)

インドでは近年、電動二輪車の発売が増えている。写真はバジャジ・オートの電動スクーター「チェタック」(PTI)

FAME2期は2019年4月~22年3月の3年間を対象に、1,000億ルピー(約1,500億円)の予算を投じて実施している。期間中の導入・設置の目標は二輪車が100万台、三輪車が50万台、四輪車が5万5,000台、バスが7,000台余り、充電設備が6,000基だ。

重工業・公企業省は11日の発表で、電動二輪車に対する補助金額をバッテリーの容量1キロワット時当たり1万ルピーから、1万5,000ルピーへと引き上げた。電動二輪への補助金の上限も、従来の「車両価格の20%」から「同40%」に改定した。

19年4月~21年3月の2年間の電動二輪車の販売実績は10万台程度と、3年間の目標のわずか10分の1にとどまっていることから、補助金増額により導入を一気に増やす考えのようだ。

■ガソリン車との価格差なくなる

インドの電動車両業界団体、電気自動車造業者協会(SMEV)のソヒンダー・ギル会長は「電動二輪車の販売を広める上で最大の障害となっている、ガソリン車との価格差を取り払う上での重要な決定。(この決定により)電動二輪車の価格が化石燃料車に近づく」と語り、補助金増額を歓迎した。

ギル氏は、補助金の引き上げにより、航続距離80~100キロ程度の中・高速仕様の電動スクーターの価格が6万~10万ルピー程度まで下がると指摘する。ガソリン車に比べて格段に低い燃料費と維持費に、補助金増額による価格低下という追い風が加わることで、「電動二輪車の需要に大きな刺激となる」と期待。5年間で二輪車市場の3割を電動にするという目標達成に向けて、突き進む決意を表明した。

野村グループは政策改定に先立つ9日に出したリポートで、電動二輪車への補助金が1.5倍に引き上がった場合のガソリンスクーターと電動スクーターのコスト比較を提示した。野村によると、ガソリンスクーターの人気モデルのムンバイでの消費者負担額(購入費)は8万2,900ルピー。これに対し、地場電動車両メーカー、アンペア・ビークルズの電動スクーター「マグナス」の消費者負担額は現在の7万3,990ルピー(補助金適用後)から、補助金増額後に5万5,990ルピーへと下がる。

燃料費と維持費を合わせた購入1年目の費用総額は、ガソリンスクーターが10万ルピー余りであるのに対し、マグナスは6万ルピー弱となる。オキナワ・オートテックの「Iプレイズ+」やバジャジ・オートの「チェタック」でも補助金増額後は10万ルピー前後と、ガソリンスクーターの同じ水準まで低下。さらに燃料費と維持費が少ないため、電動スクーターを所有するメリットは年を追うごとに高くなる。

米フォード・モーターのインド法人で専務取締役を務めた経験を持つ自動車業界専門家のビナイ・ピパーサニア氏はNNAに対して、FAME2期の修正で「電動二輪車の導入を促進するための条件はほぼ全て整った」とコメント。電動二輪車の販売急増に期待感を示した。

■三輪車は30万台調達

重工業・公企業省は11日のFAME2期改定で、公営企業エナジー・エフィシェンシー・サービシズ(EESL)を通じて電動三輪車と電気バスを調達することも明記した。

さまざまな用途の電動三輪車30万台を、EESLが一括注文。発注台数を一定規模に高めることで、メーカーの生産コスト削減を支援する。重工業・公企業省は改定文書で「電動三輪車の価格を化石燃料の三輪車と同等の水準まで引き下げるための取り組みだ」と述べている。

電気バスの導入は、西部ムンバイや北部デリー、南部ベンガルール(バンガロール)など、人口が400万人を超える9大都市が対象となる。EESLは、FAME2期が目標に掲げる7,000台余りのうち、まだ導入されていない残りの台数の導入を担うという。


関連国・地域: インド
関連業種: 自動車・二輪車運輸マクロ・統計・その他経済

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