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【インフルエンサーinアジア】びーむ先生(タイ)

総フォロワー数125万人! マルチな日泰交流のアイコン

SNSで多数のフォロワーを持ち、強い影響力を持つインフルエンサーが注目を集める昨今。そんな彼・彼女たちの中から、日本とアジアをつなぐインフルエンサーをご紹介。(取材=NNA東京編集部 古林由香)

アニメソングのカラオケ大会で優勝経験を持つコスプレーヤー出身。アイドルのような華のあるルックスと、趣向を凝らしたファッションも人気の秘訣(びーむ先生提供)

アニメソングのカラオケ大会で優勝経験を持つコスプレーヤー出身。アイドルのような華のあるルックスと、趣向を凝らしたファッションも人気の秘訣(びーむ先生提供)

TikTok:beamsensei 73.1万人(登録者数。以下同)
Facebook:BeamSensei 23.9万人
YouTube:BeamSensei 23.1万人
Instagram : beamsensei 3万人
Twitter:BeamSensei 1.5万人
※登録者(フォロワー)数は21年1月19日現在

TikTok:beamsensei 73.1万人(登録者数。以下同) Facebook:BeamSensei 23.9万人 YouTube:BeamSensei 23.1万人 Instagram : beamsensei 3万人 Twitter:BeamSensei 1.5万人 ※登録者(フォロワー)数は21年1月19日現在

「サワディーカー(こんにちは)、びーむチャンネルにようこそ!」

元気いっぱいのあいさつから始まるびーむ先生ことピートン・シッタラットさんのユーチューブ動画。愛らしいアニメ声がぴたりとハマる明るい笑顔がトレードマーク。日本とタイそれぞれの文化をキャッチーに伝えるインフルエンサーとして知られ、総フォロワー数は約125万人。バンコクの名門大学を経て、国費留学生として東京学芸大学大学院で学んだ才女の一面も持ち、SNSの運用の他に、テレビ番組やイベントのMC、語学講師、日本語学習書の執筆、日タイをつなぐコミュニティーサイトの運営とその活躍は実にマルチ。しかも組織に属さずフリーランスとしてこなすというから“ひとり日泰親善協会”といっても過言ではない。オンラインによる取材では、ネイティブ並みの日本語で「びーむ先生」の名前の由来からインフルエンサーとしての苦労まで率直に語ってくれた。

――――日本に興味を持ったきっかけは?

びーむ先生 6歳ごろに読んだ『ドラえもん』のタイ語版漫画がきっかけでした。日本語や日本文化を紹介するおまけページがあって、それを読んで日本について学びました。『ドラえもん』以外にも日本の漫画をたくさん読んでいたので、そのうち母が「これは勉強させたほうがいい!」と言い出して。中学時代は母が雇ったタイ人の日本語家庭教師の下で勉強させられました(笑)。初めて日本に行ったのは高校1年生の時。京都で行われたユネスコ(国連教育科学文化機関)のプロジェクトに、タイ代表の一人として参加しました。通っていた国立高校で募集があり、応募したら選ばれて。ちょうどその前に日本語能力試験に落ちて、勉強をあきらめようと思っていた時期だったんですが、いざ京都に行ったら自分の日本語が通用することに感動。勉強を頑張ろうと思い直すきっかけになりました。

――その後、名門校として知られるタマサート大学教養学部に進学し、日本語を専攻したとか。

びーむ先生 はい。4年生の時には大学間の交換留学として東京学芸大学で1年間勉強しました。タマサート大学を卒業した翌年、日本の文部科学省の国費留学生制度を通じて再び東京学芸大に。大学院の教育学研究科で多言語多文化コースを専攻し、修士号を取得しました。2016年にタイに戻ってきたんですが、何をしようかすごく悩んで。企業への就職も考えましたが、いろんな方から「これをやってほしい」といったオファーを頂いて。オファーを受け続けていたらいつの間にかこうなったという感じです(笑)。

――ユーチューブに動画を投稿し始めたきっかけは?

びーむ先生 もともと動画を撮るのと日記を書くのが好きで、08年頃から趣味として動画をアップしていました。日本人向けのタイ語学習動画を初めて作ったのが10年。投稿して半年で2万回くらい再生されて、「えーっ、こんなに見てくれているんだ!」と驚きました。翌年、タイに戻ってからはユーチューブとは違うプラットフォームでタイ人に日本語を教える音源を投稿し始めました。毎日アップしていたら名前を知られるようになり、私のあだ名のBeamから“Beam先生”と勝手に呼ばれていました(笑)。Beamはタイでよくあるあだ名なのですが、先生が付くと独特で覚えやすくていいなと。それで、びーむ先生と名乗ることにしました。

――カタカナではなく平仮名で「びーむ」にしたのは理由があるとか。

びーむ先生 そうなんです。平仮名のほうが柔らかくて女性的かなぁと思い(笑)。あえて「びーむ」にしました。

東京学芸大学に交換留学中だった10年10月に投稿した『タイ語 (1挨拶)を勉強しましょう』。「授業が少なくて暇だったので(笑)、何をしようかなぁと考えた末、日本人にタイのことを教えてみようと思って作りました」

東京学芸大学に交換留学中だった10年10月に投稿した『タイ語 (1挨拶)を勉強しましょう』。「授業が少なくて暇だったので(笑)、何をしようかなぁと考えた末、日本人にタイのことを教えてみようと思って作りました」

https://youtu.be/EikQD3S7KJE

■43都道府県を制覇、お気に入りは小金井市

――ユーチューブのチャンネル登録者の国籍の内訳は?

びーむ先生 タイ人が9割で、日本人は1割。比率的にタイ人の方が多いですが、日本人はコメントを積極的にしてくださいますね。ユーチューブのライブ配信のときは特にそうです。

――日本人に好評な動画、タイ人に好評な動画に違いは?

びーむ先生 日本の方にはタイの観光地や食べ物を紹介した動画が人気です。タイ人には日本人のインタビューものですね。東京の代々木公園で開催される「タイフェスティバル」に毎年取材に行って来場者にインタビューをしているんですが、私のチャンネル内の再生回数上位を占めています。タイ人にとって日本は憧れの国でいいイメージを持っているので、日本人が自分の国について褒めてくれたり、いいことを言ってくれるのがうれしいんですよね。

――日本各地の観光協会などから依頼を受け、タイ人旅行者向けに観光スポットを紹介する活動もしていますね。

びーむ先生 プライベートで行ったものを含めるとこれまでに43都道府県回りました。残すは宮崎、佐賀、愛媛、香川の4県。全国制覇したらそれについて書いた本を出したいです(笑)。

――特に印象的だった場所は?

びーむ先生 観光地ではないですが、東京の小金井市。私が留学中に住んでいた場所で、東京なのに静かで自然も多いし、小金井公園の桜がきれいなんです。イトーヨーカドーとかもあって便利だし(笑)、いい町です。

――インフルエンサーとして情報を発信する上で心掛けていることは?

びーむ先生 できるだけ詳しく、そして正しく伝えることです。特に日本の文化をタイ人に伝えるときは、丁寧に調べて発信しています。調べものをするだけで、何時間もかけることもあります。

――動画の制作に関して教えてください。

びーむ先生 編集はアドビのソフト「プレミアプロ」を使って、ほぼ全部自分でやっています。めちゃくちゃ大変です! 10分くらいの動画でも最低2日間はかかります。やろうと思えば1日でできますが、頭がパンパンになって無理です(笑)。撮影に関しても、カメラマンや同行者に頼む場合もありますが、だいたい自分で撮っています。こだわりとしては、タイ人も日本人も見られる動画にするということ。タイ語の内容には日本語の字幕を付けて、逆も同じようにしています。

――ところで、最近のタイの若者は何をきっかけに日本に興味を持つんでしょうか?

びーむ先生 やっぱりアニメ、漫画ですね。私のTikTok(ティックトック)ではアニメや漫画に出てくる日本語を紹介しているんですが、小中学生がよく見てくれていてフォロワーは73万人を超しました。

――K―POPブームの影響でタイでは韓国語の学習者が増えたと聞いたのですが、日本語学習者が減ったなどの影響は?

びーむ先生 確かに韓国語を習う人は増えていますが、日本語も増えていますよ。タイには日本企業が多いので就職する時にも有利ですしね。

東京・代々木公園の「タイフェスティバル」来場者インタビュー。タイ人視聴者に特に人気。「編集が一番大変なのがこのイベント。いろんな方をインタビューしますので、たくさんの素材を何回も見て、字幕も自分で付けて…。日本語が分かるタイの編集者は少ないので、仕方なく自分でやっています(笑)」

東京・代々木公園の「タイフェスティバル」来場者インタビュー。タイ人視聴者に特に人気。「編集が一番大変なのがこのイベント。いろんな方をインタビューしますので、たくさんの素材を何回も見て、字幕も自分で付けて…。日本語が分かるタイの編集者は少ないので、仕方なく自分でやっています(笑)」

https://youtu.be/zppm9UIMHPI

■新型コロナで動画も方向転換、ライブ配信でタイの今を伝える

――インフルエンサーとして苦労を感じることは?

びーむ先生 毎日続けることです(笑)。

――それでも長年続けられたモチベーションは?

びーむ先生 ファンからのメッセージです。「記事がすごく役に立った」とか「紹介していた場所に行ってみたらとても良かった」とか。頂いたメッセージは全部読んでいますし、返信も結構しています。

――ユーチューブ、ティックトック、フェイスブックなど複数のSNSを頻繁に更新しつつ、テレビへの出演や、語学講師としての活動もするなど本当に多忙ですよね。休みがないのでは?

びーむ先生 疲れた時は休んでいます。でも完全なオフはないですね。オフにしようと思っても、もったいないと思って動画編集をしたり、撮影をしたりして(笑)。大変だけど楽しいです。

――ご家族は応援してくれている?

びーむ先生 そうですね、特に何も言われていません。大学院を修了した後、何をしたらいいか分からなくなっていた時期に、「こういう仕事をしてみたら」とか言われたりしましたが、インフルエンサーとしてちゃんと仕事をして収入を得ているのを見て、安心してくれています。

――新型コロナウイルスの流行で受けた影響は?

びーむ先生 以前は毎月日本に行って動画を撮っていましたが、行けなくなってしまい大変です。コロナ前にあった動画のストックは全部使ってしまいました(苦笑)。最後に日本に行ったのは去年の2月。福島県会津若松市からの依頼で動画を撮ってきたんですが、それもぎりぎり行けた状況でした。最近は新しい方向性として、タイ国内を旅行して紹介するテーマでやっています。日本の方は雑誌に載っている場所にバーッとみんな一斉に行く傾向がありますが、もっとローカルなタイの生活についてとか、ディープな場所を紹介したいですね。

――また来日できるようになったらどんなことをしたいですか?

びーむ先生 カラオケ! タイにもありますが、私は日本の歌しか歌わないので日本のカラオケがいいんです。あとは買い物。化粧品がもうすぐなくなってしまうので(笑)。好物の牛たんも食べたいですね。

――今後、挑戦してみたいことや夢は?

びーむ先生 オンラインで教えているタイ人向けの日本語コースを増やしたいですし、「日タイなかよし」というコミュニティーサイトを大きくしたいです。大学時代の同級生と一緒に運営していて、会員はタイ人、日本人を合わせて3万人くらい。JTBタイランドとコラボして、アユタヤへ遊びに行くツアーも先日開催しました。本当は去年、会社を作る予定だったんですが、新型コロナの影響で収入が減りダメになってしまい…。将来的には会社を作って、いろんなことをやっていきたいです。あとは、ユーチューブのフォロワー100万人を目指します! 私、毎日夜寝る前に翌日にやることをリストにしているのですが、それを実行できないとすごくイライラしちゃうタイプ(笑)。リストは週、月、年ごとにもそれぞれあって、具体的な目標を書いています。できるかどうか分からないですが、頑張ります(笑)。

新型コロナ流行後は、タイ各地の観光スポットを紹介する動画を積極的にアップ。「コロナの再流行が心配ですが、今後も各地を回って動画を撮ったりライブ配信をしたいと思っています」

新型コロナ流行後は、タイ各地の観光スポットを紹介する動画を積極的にアップ。「コロナの再流行が心配ですが、今後も各地を回って動画を撮ったりライブ配信をしたいと思っています」

https://youtu.be/5Pne-fHtbaQ

https://youtu.be/YR3ki6wWxBw

※特集「インフルエンサーinアジア」は、アジア経済を観るNNAのフリー媒体「NNAカンパサール」2021年2月号<http://www.nna.jp/nnakanpasar/>から転載しています。


関連国・地域: タイ日本
関連業種: メディア・娯楽社会・事件

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