コロナ禍の４月に第１子を出産した知人が「一戸建て住宅に引っ越したい」と言う。マニラ首都圏の外出・移動制限が再び厳格化され、外気にほぼ触れることのない高層のコンドミニアムで、閉じ込められた気分に陥っているという。
日本でも、新型コロナウイルスの感染拡大を機に働き方が変わり、都市部に住む必要がなくなり家族で地方に移住を決めた人の話を聞いた。窮屈で高い家賃の都心より、子育ての環境としても魅力的に映りそうだ。
この数年、取材を通して、若い世代で一戸建て住宅への憧れが強まっていると感じる。若年層の多さと需要増を背景に、首都圏近郊では低価格住宅の開発が盛んだ。新型コロナは押し上げ材料となるだろうか。30年近くロックウェルの高級コンドに住む先の知人は、地方に住めば「利便性を捨てることにもなる」と渋る。都市部との生活水準の格差は当地の課題かもしれない。（堀）
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