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豪環境法改正、州政府に開発決定権を移譲か

オーストラリア連邦政府が進めている環境保護および生物多様性保全(EPBC)法の見直しにおいて、開発プロジェクトの承認手続きを行う際の基準となる「全国環境基準」が制定される見通しだ。承認手続きを削減し、投資と雇用創出を加速する方針。連邦政府は同法の改正に伴い、同基準と照らし合わせた主要プロジェクトの環境審査を州政府に移譲することを検討している。21日付オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが報じた。

EPBC法は、2000年に施行されたもの。同法の改正案は来月末までに策定される予定だ。

レイ環境相は昨年10月、EPBC法の見直しを行うと発表。見直しは、オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCC)の元委員長のサミュエル氏が主導して行ってきた。

サミュエル氏らがまとめた法改正に関する中間報告書によれば、現行のEPBC法は非効率で審査に長時間を要するほか、連邦政府と州政府の役割が重複し、結果よりも審査過程に重点が置かれるといった問題があるという。

■資源部門では平均3年の評価・承認期間

資源部門の複雑なプロジェクトの場合、評価と承認に平均で3年近くがかかっているという。

インフラ業界の最大ロビー団体インフラストラクチャー・パートナーシップス・オーストラリア(IPA)の調査によれば、EPBC法の規定により、ダムや炭鉱、道路などの主要なプロジェクトの推進が2000年以降で累計1万100日、遅延し、総額で650億豪ドル(約4兆8,900億円)を超える投資プロジェクトがリスクにさらされたという。

サミュエル氏らはまた、現行法はあいまいな表現が多くて不明瞭だとし、環境の持続可能性を損なわずにいかに開発を進められるかを明確に示した上で、法的強制力を持つ全国環境基準を策定することを提言した。

■連邦、改正法で州決定介入権限も

EPBC法の改正の一環として、開発プロジェクトの審査・決定権を州政府に移譲する案では、州政府の決定が基準を満たしていなかったり、国益に反すると判断された場合、連邦政府は引き続き介入する権利を有するという。

レイ環境相は、今回の報告書は暫定的なものだと強調した上で、「基準の策定に向けて州政府と協議を持ちたい」と説明。また、見直しにおいては、プロジェクトの妨害や遅延を目的とする環境保護団体や活動家による訴訟を厳しく取り締まる考えを示した。


関連国・地域: オーストラリア
関連業種: 建設・不動産天然資源マクロ・統計・その他経済

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