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肺炎の世界不況リスク低まる、中国が減速で

英コンサルティング会社オックスフォード・エコノミクスは27日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)により世界不況が発生するリスクが低まっているとの見方を示した。火元の中国では、新たに見つかる感染者数が減少傾向にある。アジアを中心に向こう2年の経済に影響を与えるが、短期で終息すれば、2022年には正常化すると見込んでいる。

アジアのマクロコンサルティング部門の責任者、トム・ロジャーズ氏は「中国国内では、湖北省武漢市をはじめとする各地域で、毎日新たに確認される新型コロナウイルスの感染者数が減ってきている」と語った。累計では増えている傾向があるが、回復した人もおり、早期終息の可能性があるとみている。

中国の感染者数の純増数をみると、1月下旬から加速したが、2月4日の約4,000人が一つのピークとなった。中旬には感染者の診断基準が変更され、新型コロナウイルスに感染したとみなされる人が急に増えたが、その後は減速傾向となっている。中国政府が封じ込めに強い対策を打ち出しているため、歯止めが掛かる可能性があるという。

ロジャーズ氏は「アジアに限定した流行ならば世界の向こう2年の経済成長率が下がり、世界的な流行になればグローバルな不況をもたらす」と指摘した。ただ、状況の急激な悪化がなければ、年内に景気刺激策が打ち出され後半から各国の経済が持ち直し、21年は反動で伸び率が低下するが、22年には正常化するとみている。

■今年の経済減速は避けられず

オックスフォード・エコノミクスは、新型肺炎により、今年第1四半期(1~3月)と通年のアジア太平洋各国・地域の国内総生産(GDP)成長率見通しを軒並み下方修正した。

1~3月の引き下げ幅は、中国の2.2ポイントが最大。香港(1.8ポイント)、ベトナム(1.5ポイント)、日本とタイ(1.4ポイント)、オーストラリアとシンガポール(0.6ポイント)、インドとマレーシア(0.5ポイント)、インドネシア、台湾、韓国、フィリピン(各0.3ポイント)の順で大きかった。

通年では、香港を1.5ポイント下方修正し、タイ(1.0ポイント)、中国(0.6ポイント)、インド(0.5ポイント)なども引き下げた。2月18日時点の予測で、「3月に入って再び下方修正する可能性がある」(ロジャーズ氏)。

ロジャーズ氏は「東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に製造業の供給拠点として中国の存在感が大きい」と話した。各国の生産に対する中国からの中間製品の輸入の割合(付加価値ベース)は、カンボジアが約14%、ベトナムが約12%で高い。以下、香港やオーストラリア、マレーシア、タイなどと続き、国をまたぐサプライチェーン(供給網)の寸断が近隣諸国などの製造業に影を落とすとみている。

今後期待するのは、「中国が早期に回復し、大規模な景気刺激策を打ち出すことによる世界経済の成長率の引き上げ」(ロジャーズ氏)だ。新型肺炎により世界経済が深刻な不況に陥る可能性は低いとみているが、成長率は鈍化基調にある。アジアで新型肺炎が増えている3カ国(中国、韓国、日本)の動向は世界経済への影響が大きく、各国の消費にどれほど打撃を与えるのか、状況を注視する必要がある。


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